ズートピア

今日は、妻&娘と一緒にディズニーの最新作である「ズートピア」を見てきた。

GW目前ということで、この週末は「レヴェナント 甦りし者」や「アイアムアヒーロー」といった話題作が一挙公開。どの作品を先に見るか、娘に選択権を委ねてみたところ、一番当たり外れの少なそうなところを狙ったのか、本作が良いと言ってきた。

さて、作品の舞台となるのは、進化によって肉食動物と草食動物との共存が可能になった街“ズートピア”。しかし、“ウサギは弱虫でキツネは狡猾”といった偏見だけはしぶとく生き残っているようであり、史上初のウサギの警察官となった主人公がたまたま知り合った詐欺師のキツネと協力し、様々な差別や偏見と闘いながら難事件を解決していくというのが主なストーリー。

まあ、ここまでだったら“努力すれば夢は叶う”というごくありふれたディズニー映画の範疇に収まってしまうのだが、実はこの事件には裏があり、本当の黒幕は陰謀によって肉食動物たちを陥れようとしたある草食動物。要するに、一般的には社会的に優位な立場にあると考えられていた側が実は被害者だったという結末であり、う〜ん、ここからいったいどんな教訓を導き出せば良いのだろう?

従軍慰安婦問題や難民問題に限らず、強者・弱者のどちら側からも“自分たちこそが真の被害者だ”という被害者アピールが目立つようになってきている昨今、被害者の認定にはくれぐれも慎重を期すべきであり、そういった観点からすると本作の結末は余りにも安易というか、現状肯定感が強すぎるような気がしてしまった。

ということで、本作でも字幕版による上映は皆無であり、まあ、このことに関しては既に諦めモードに入っているのだが、だからこそ人気タレントの声優への起用や意味のないタイアップ曲の採用等は差し控えて欲しいところ。誰が聞いても上戸彩としか聞こえてこないセリフの棒読みに2時間近く付き合わされるのは、苦痛以外の何者でもありませんでした。