久しぶりの男体山

今日は、妻と一緒に日光の男体山を歩いてきた。

妻が男体山登頂に興味を持っていることを口にしたのは、2013年の1月に鹿沼のかまど倉を歩いたときのこと。それから2年余、なかなか決心がつきかねていたらしいのだが、先月末の尾瀬ヶ原で18km弱歩けたことがちょっぴり自信となり、先日、備前楯山を歩いたときに“休み休み行けば男体山に登れるかも”と話していた。

正直、尾瀬ヶ原男体山とではかなり状況が異なるのだが、せっかく本人がその気になりかけているところに水を差す必要は無く、“今度の土曜日なら男体山の天気予報はOKらしい”とメールで決断を促してみたところ、数時間に及ぶ熟考の末、“行きます”との返信が戻ってきた。

そんな訳で、本日の午前7時過ぎに登山口のある二荒山神社に着いたのだが、快晴ということで既に駐車場は満車であり、やむなく県営駐車場に車を止めて徒歩で登山口へ向かう。受付で@500円の入山料を支払い、お守りを受け取ってから登拝門(7時40分)を潜ると、いよいよ男体山チャレンジの始まり!

石段を上った先にあるのが一合目(7時48分)であり、この先しばらくは樹林帯の中を歩いて行く。俺が9年前に歩いたときにも、いきなり始まるそれなりの急傾斜に不安を覚えた記憶があるが、おそらく今の妻もそれと似たような心持ちなんだろう。三合目(8時25分)で工事用道路に出ると、しばらくはアスファルトの上を歩いて8時51分に四合目到着。

ここまで後続者に次々と追い越されるくらいのスローペースなのだが、受付でもらった登拝案内図に記載されたここまでの標準(?)所要時間は80分であり、我々の方が9分早い。石鳥居を潜ると再び山道となるが、妻の堅実なペースは変わらず、9時15分に五合目に着く。避難小屋の少し先からは、中禅寺湖や社山を眺められるようになり気分は上々。

しかし、六合目(9時34分)を過ぎるとコース上には大きな石がゴロゴロするようになり、一気に大幅なペースダウン。六合目までは1合当たり20〜30分くらいのペースで歩いてきたが、七合目(10時20分)までは50分弱かかってしまい、この分でいくと一応の目安にしておいた4時間では山頂はおろか、9合目にも届きそうにない。

妻の様子も辛そうであり、ちょっと後ろを振り返れば眺められる中禅寺湖の絶景を楽しむ余裕もないらしい。持て余し気味だったダブルストックをシングルにするように勧めたところ、幾分のペースアップにはなったが、正直、鳥居(10時46分)に着いた頃には途中撤退も止む無しと考えていた。

しかし、八合目(10時56分)に着いたところで妻の意思を確認したところ、“ゆっくりならまだ歩ける”とのことだったので、とりあえず続行決定。すると間もなく歩きづらかった岩場から脱出することが出来、11時27分に九合目到着。まだ出発から4時間は経過しておらず、こうなったらもう山頂を目指すしかない。

赤土に覆われた弥陀ヶ原からは戦場ヶ原や白根山雄大な景色が楽しめるのだが、とりあえずはそんなものには目もくれず、頂上を目指して一歩一歩進んでいく。ようやく大勢の登山者の歓談している声が耳に入るようになるとゴールは目前であり、11時58分にご神剣の立つ男体山山頂(2486m)に着くことが出来た。

目安にしておいた4時間からは18分ほど遅れてしまったが、いつにも増して口数の少なかった妻の顔にもようやく会心の笑みが浮かんでいるのを見てホッと一安心。昼食の後は山頂からの素晴らしい景色を楽しんだり、奥宮にお参りしたりしながらゆっくり休憩し、12時54分に下山に取り掛かる。

いつものスローペースに加え、続々とやって来る後続者に先を譲らなくてはならないため、結局、登拝案内図に記載された下りの標準所要時間(=3時間)を40分以上オーバーしてしまったが、まあ、これが(今の?)妻に適した歩き方であり、彼女の足が完全に停止するようなことは一度も無かった。

下山開始(12時54分)〜九合目(13時19分)〜八合目(13時40分)〜七合目(14時12分)〜六合目(14時48分)〜五合目(15時3分)〜四合目(15時29分)〜三合目(15時53分)〜一合目(16時30分)〜登拝門(16時37分)

ということで、満員の「やしおの湯」で汗を流した後は、大きな満足感を胸に無事帰宅。以前から“男体山を歩ければ、どこの山でも歩ける”と妻に話していたので、帰る途中、次はどこの山を歩きたいか尋ねてみたのだが、“当分、山のことは考えたくない”というのが彼女の回答でした。