エクソダス:神と王

今日は、娘からのリクエストにお応えして、家族で「エクソダス:神と王」を見に行ってきた。

リドリー・スコットクリスチャン・ベイルという組合せは魅力的なのだが、予告編から漂ってくるそこはかとない“おバカっぽさ”がちょっぴり心配。若さの故か、ウチの子どもたちには“おバカ映画を面白がる”という一面が備わっており、まあ、本作のそんな雰囲気が彼女の興味を惹いたのだろうと推測しながら映画館へ。

さて、作品はエジプト軍とヒッタイト軍との大規模な戦闘シーンで幕を開け、やはり不安は的中したかと思って見ていると、その後のストーリーは意外に原作(?)である「出エジプト記」に忠実に進んでいく。アクションシーンもちょこちょこ出てくるのだが、スカッと胸のすくようなものは見当たらず、主人公モーゼの苦悩する姿が延々と描かれる。

それが一段落したところで登場するのが「十の災い」であり、リドリー・スコットはお得意のCG技術を駆使してその様子をリアルに再現してくれるのだが、正直、こんな映像を見せられて喜ぶ人間はあまりいないんじゃないだろうか。最後の期待だった「海割り」も見事なほどの不発に終わり、後に残されたのは“やっぱり「フォックスキャッチャー」にしておけば良かった”という後悔の念だけ。

まあ、作品自体も酷いのだが、それ以上に理解不能なのが、パレスチナ問題やイスラム国の問題が大きく取り沙汰されている現在において、“特定の民族だけを救う神”の存在を強調して描くことの意味。キリスト教徒もユダヤ教徒イスラム教徒も、あれこそが我々の崇める神であると思って本作を見るのだろうか。

ということで、やはり“おバカ映画”のノリを期待していた娘も不満だったようであり、見終わってからの感想は“リドリー・スコットはこんな作品に関わっていないで、さっさと「プロメテウス(2012年)」の続編を作って欲しい”とのこと。この意見には俺も全くの賛成であり、本作の失敗が後の作品の資金調達に悪影響を与えないことを祈るばかりです。