マイティ・ソー/ダーク・ワールド

2013年作品
監督 アラン・テイラー 出演 クリス・ヘムズワースナタリー・ポートマン
(あらすじ)
ソー(クリス・ヘムズワース)の祖父ボル王によって力の源である“エーテル”を奪われてしまったダーク・エルフの支配者マレキスは、再興の機会を待つために仲間と共に数千年の眠りにつく。一方、ロンドンで発生した重力異常の調査に向かったジェーン(ナタリー・ポートマン)は、調査中に別の世界に迷い込み、そこでエーテルを自分の体内に取り込んでしまう….


アベンジャーズの活躍から1年後の世界を舞台にした「マイティ・ソー(2011年)」の続編。

正直、アベンジャーズのメンバーの中ではソーが一番の苦手なため、見るのが延び延びになっていたのだが、先日、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014年)」を一緒に見ていた娘から本作にもベニチオ・デル・トロ扮する“コレクター”が出演していたという話を聞き、慌てて鑑賞に臨んだ次第。

さて、相変わらず壮大なスケールでストーリーは展開していくのだが、その壮大さが観客にストレートに伝わってこないあたりが困りもの。復活したマレキスの攻撃によって神の国アスガルド”が危機に瀕するというエピソードにしても、崩壊する建物の中を逃げ惑う市民といったお決まりの群衆シーンが出てこないため、“大作”の雰囲気は希薄。ひょっとすると、CGで群衆シーンを描くのは案外難しいのかもしれないなあ。

また、神の国の物語ということでストーリーの自由度が高すぎるため、見ていて“ご都合主義”の印象を拭い去ることが出来ないのも大きなマイナス点。おそらくこちら側の勉強不足もあるのだろうが、例えばロキの出来ることと出来ないことの基準みたいなものをあらかじめ明らかにしておいてもらえれば、あのラストのドンデン返しももう少し好意的に受け入れられたと思う。

まあ、監督が変更になったこともあり、前作よりコミカルな面が全面に出てきているのは嫌いでは無いのだが、新監督のアラン・テイラーはこれまでTVシリーズを数多く手掛けてきた人らしく、“次回作に続く”みたいな中途半端なラストを安易に使うのは是非止めて頂きたい。

ということで、お目当てだったコレクターの出演シーンはほんのオマケ程度であり、正直、今後のストーリーにどのように絡んでいくのか全く見当が付かない。当面、原作を読んでみる予定は無いので、「アベンジャーズ2」を見ればそのへんの謎が明らかになるようご配慮願いたいと思います。