田代山〜帝釈山

今日は、恒例(?)となった妻との初夏の山歩きということで、福島県との県境にある田代山帝釈山を歩いてきた。

田代山は、山頂が湿原になっているという大変興味深い山ではあるが、山頂まで4時間弱で往復出来てしまうというあたりがちょっと物足りなく、ついつい先送りにしていたのだが、妻と一緒に歩くならこのお手軽さは逆に好都合。登山口のある県道栗山舘岩線は、湯西川の方からは通行止めということで、福島県側からの長〜い砂利道を入って、午前7時13分に駐車場を出発する。

ルートは樹林帯の中に続いているが、好天に恵まれたこの日は大勢の登山客が訪れており、道に迷う心配も、熊と出会う心配も全く無い。水場(7時27分)の先から傾斜がきつくなり、まだ調子の出ない妻はちょっと辛そうであるが、時間は十分にあるので、時々立ち止まって息を整えながらゆっくりしたペースで上っていく。

展望が開けてくると、次第にルートもなだらかになり、8時30分に小田代に到着する。ここは山頂の田代湿原の予告編みたいなところであり、湿原に咲く可愛らしい花々に期待は膨らむばかり。ようやく見えてきた田代山の山頂を目指し、もう一頑張りと最後の斜面を上っていく。

8時57分、ようやく湿原の端にたどりつくと、目の前には広々とした景色が広がっており、まるで別世界のよう。間近に見える残雪を纏った会津駒ヶ岳も青空に映えて美しく、しばらくの間、妻ともども見惚れてしまう。とりあえず、田代山山頂(1971m、9時5分)の標識のところまで進み、その先の邪魔にならないところに腰を下ろして風景を楽しむ。

持参した食料で空腹を満たすと、ようやく妻も調子が出てきたらしく、活動再開。チングルマ、イワカガミ、ワタスゲといった可愛らしい花々の中に続く木道をしばらく進んでいくと、お隣の帝釈山への分岐が現れる。妻から帝釈山への所要時間を尋ねられたので“往復2時間くらい”と答えると、まだ時間が早いので行ってみようということに!

全くの予定外だったため、事前学習はほとんどしていなかったが、天候は安定しており、持参した地形図で確認したところアップダウンも比較的少なそう。弘法大師堂(9時41分)の前に立つ“帝釈山1.9km”という標識の先には結構急な下り坂が続いていたが、付近に目立つようになったオサバグサの可憐な姿にも勇気付けられて、帝釈山へと向かう。

いったん下ってしまうと、しばらくはなだらかな道が続くが、山頂が近づくにしたがって、次第にルートが岩っぽくなってくる。一歩当たりのステップが大きく、妻も少々苦労しているようであるが、何とか最後まで頑張って、11時9分、帝釈山の山頂(2060m)に立つ。ここからは燧ヶ岳、至仏山平ヶ岳といった山々の眺望が素晴らしかった。

さて、ここまでくればもう後は来た道を戻るだけ。帝釈山までの往復は予定より1時間ほど多くかかってしまったが、12時46分に弘法大師堂を通過し、14時32分に駐車場到着。ここで、シャトルバスに乗り遅れてしまったというご婦人2人を国道沿いのバス停へ送り届け、その後、無事、自宅まで戻ってきた。

ということで、花と好天に恵まれた妻と一緒の湿原歩きは最高に楽しかったのだが、唯一の問題は、どうやら俺が虫に好かれやすい体質らしいことが判明したこと。一緒に歩いていても、妻にはほとんど虫が寄り付かないのに対し、俺の周りはいつも虫だらけであり、次回からは虫除けスプレーが必携になりそうです。