ローラーガールズ・ダイアリー

2009年作品
監督 ドリュー・バリモア 出演 エレン・ペイジマーシャ・ゲイ・ハーデン
(あらすじ)
テキサスの田舎町に住む17歳の女子高生ブリス(エレン・ペイジ)は、美人コンテストで優勝することこそが幸福への近道と信じる母親ブルック(マーシャ・ゲイ・ハーデン)に言われるまま、ミスコン中心の退屈な日々を送っていた。そんなある日、都会のオースティンに出かけた彼女は、そこでローラーゲームの存在を知り、親友のパシュと一緒に両親に内緒で観戦に出かける….


ドリュー・バリモアの初監督作品。

内容は、手に汗握るローラーゲームのシーンをクライマックスに、主人公の初恋や親友パシュとの女の友情、両親との葛藤等が描かれており、まさにスポーツを題材にした青春映画の王道をいくような作品。女性監督のせいか、ゲームシーンの描写が少な目であり、その分、母親との確執の方にウェイトが置かれているような印象であるが、盛り沢山の内容を手際良く捌いているという印象を受けた。

昔と違い、今のローラーゲームは全員女性によってプレーされているらしいのだが、女の世界にありがちな(?)イジメや嫉妬といったネガティヴな部分の描写を最低限に抑え、その代わりに女同士の前向きな連帯感を前面に出したあたりが、いかにもドリュー・バリモアらしく、初監督作品としては大成功といって良いだろう。

特に、彼女のあまり幸せだったとは言えない青春時代を知る身としては、本作で描かれる初恋相手との少々赤面してしまうくらいにロマンチックなデートの様子や両親との和解シーンなんかを見ているだけで、とても嬉しい気分になってしまう。

また、主演のエレン・ペイジもいつもながらの大熱演を見せており、自らローラースケートを身に付けてトラックの上を縦横無尽に駆け巡る。先日拝見させて頂いた「インセプション(2010年)」や「JUNO/ジュノ(2007年)」で演じていたキャラとは相当印象が異なるものの、元々「X-MEN:ファイナル ディシジョン(2006年)」の壁抜け少女だったことを考えれば、まあ、そう意外なことでもない。

ということで、エレン・ペイジも良いのだが、やっぱり俺にとって本作はドリュー・バリモアの初監督作品として記憶されるべき作品であり、次はどんな映画を見せてくれるのかとても楽しみです。