シャッター アイランド

2010年作品
監督 マーティン・スコセッシ 出演 レオナルド・ディカプリオマーク・ラファロ
(あらすじ)
1954年9月。ボストン沖合の孤島に建つアッシュクリフ病院で、厳重な監視下にあった女性患者レイチェルが忽然と姿を消すという事件が発生。その病院では精神を患った凶悪な犯罪者を専門に収容しているため、連邦保安官のテディ(レオナルド・ディカプリオ)が新しい相棒のチャック(マーク・ラファロ)と共に捜査にあたることになるが、彼がこの島を訪れたのにはもう一つ別の目的があった….


妻のリクエストで見たスコセッシ&ディカプリオ・コンビによるミステリイ・サスペンス。

本作は“謎解き参加型ミステリー”という売りで劇場公開されたらしく、「シックスセンス(1999年)」のときみたいに、上映前“この映画のラストはまだ見ていない人にはけっして話さないでください”、“登場人物の目線や仕草にも注目しましょう”といった内容のテロップが流されたそうである。

しかし、俺が見たDVDにはそんな余計な“鑑賞上の注意”は一切入っておらず、いつものディカプリオ作品のつもりで油断して見ていたのだが、そのせいで(?)作中に散りばめられていたという数々のヒントについて深く考えることもせず、終盤のドンデン返しには物の見事にひっかかってしまった。

正直、ちょっと口惜しくはあるものの、この手の作品は今回のようにきれいに騙されて見るのが最も幸せな鑑賞方法であり、不要な事前情報なしに見られたのは誠にラッキーなことと言わざるを得ない。しかし、騙されたからいうのではないが、本作のディカプリオの演技はなかなか魅力的であり、俺の中の彼に対する評価も1ランク程上昇したみたい。

一方、俺は取り立ててスコセッシ監督のファンという訳ではなく、実は彼がディカプリオと組んだ作品を見るのもこれが初めてなのだが、彼のようなベテランの大物監督がこういったトリッキーな内容の作品を撮るというのはちょっと意外。思っていたよりも大物ぶらない気さくな人柄なのかもしれないなあ。

ということで、これも見終わってから知ったことなのだが、先日拝見させて頂いた「ゴーン・ベイビー・ゴーン(2007年)」と同様、本作もデニス・ルヘインの小説が原作になっているとのこと。この方もなかなか多才な作家のようです。