連休初日の今日は生憎の雨空ということで、予定していたディズニーシーは急遽延期。代わりに家族で「大奥」を見に行ってきた。
原作であるよしながふみの漫画は未読であるが、第13回手塚治虫文化賞マンガ大賞をとっていることもあって、将軍は女性で大奥にいるのは男ばかりという基本設定は承知の上。しかし、実際に見てみると、そんな奇抜な設定にもかかわらず、内容は意外にシリアスであり、俺が勝手に期待していたようなコメディ色は甚だ希薄な作品だった。
若い男性ばかりが罹患するという奇病の流行によって男子人口が激減した結果、大奥ばかりではなく、日本中で男女の関係が逆転しているという設定の、まあ、一種のSF作品なのだが、この“男子人口の減少”と“男女関係の逆転”との因果関係が曖昧であり、男から女への権力の移行が完了している一方で、主人公とその恋人との恋愛関係がほとんど昔どおりというのも理解に苦しむ。
また、実質上の主人公である徳川吉宗の登場するタイミングが遅すぎるため、その後のストーリー展開が駆け足になってしまっているのは明らかに脚本上のミスであり、正直、この程度の底の浅い話であれば、(妻と娘が力説するとおり)TVの2時間ドラマで十分だったろう。
ということで、若手男優(?)がうじゃうじゃ出てくるジャニーズ事務所の在庫一掃セールみたいな作品であり、せっかく阿部サダヲを起用しているのにほとんど笑わせてもらえない。柴咲コウはどうせ“おぼこ”に見えっこないんだから、せめてそれをオチ(=主人公の命が助かった理由)にもってきて笑いを取るくらいのサービスがあっても良かったと思います。