アイドルを探せ

1963年作品
監督 ミシェル・ボワロン 出演 フランク・フェルナンデル、ダニー・サヴァル
(あらすじ)
しがないタイル職人のリシャール(フランク・フェルナンデル)は、恋人のジョゼット(ダニー・サヴァル)に唆されて女優のミレーヌ・ドモンジョ宅から五千万フランのダイヤを盗み出すが、警察に見つかってしまい、逃走中、そのダイヤを楽器店のギターの中に隠す。翌日、ジョゼットはその楽器店を訪れるが、時すでに遅く、それと同じ型の5台のギターはすべて5人のアイドル歌手の手に渡っていた….


シルヴィ・バルタンの同名のヒット曲でもお馴染みのフレンチ・コメディ。

仲違してしまったリシャールとジョゼットは、それぞれ別のパートナーと組んでこの5人のアイドル歌手の行方を探すことになるのだが、その5人というのがシルヴィ・バルタン、アラモ、ナンシー・ホロウェイ、ジョニー・アリディ、それにシャルル・アズナブール。当然、行く先々で彼女等の歌を楽しむことが出来る訳であり、そのまんまとても楽しいアイドル映画になっている。

被害者であるミレーヌ・ドモンジョも彼女本人の出演であり、その他にも大勢の芸能人が出演しているらしいのだが、何分、今から40年以上も前の作品ということで、これまでに名前が挙がった人以外は全く分からないのが見ていてとてももったいない。

まあ、そんな顔見世興行的な作品ではあるが、主演のお二人はなかなか頑張って狂言回し役を務めてくれており、特にジョゼット役のダニー・サヴァルは悪役兼コメディリリーフという大役を魅力的に演じた上、最後には可愛らしい下着姿まで披露してくれる。

また、俳優としての実績も豊富なシャルル・アズナブールは流石の貫禄であるが、やはり本作の最大の見どころは公開当時19歳というシルヴィ・バルタンの可憐な美しさであり、前歯がすきっ歯なところも含めてとても魅力的。学生の頃、初めて本作をTVで見たときに、当時、既にオバサンになっていた彼女と映画の中の彼女とのギャップに大いに悩んだ記憶がある。

ということで、事件のきっかけは、ミレーヌ・ドモンジョの元へ届いた大統領主催のパーティへの招待状であり、盗まれたダイヤは彼女がそのパーティに付けていく予定だったもの。この時期のフランスの大統領と言えば、かのシャルル・ド・ゴールその人であり、彼女の大変な喜びようからも当時のド・ゴール人気の高さが窺えるところです。