20世紀少年〈最終章〉ぼくらの旗

浦沢直樹原作の「20世紀少年」の完結編が昨日から公開されたため、早速、家族で見に行ってきた。

前作までの出来から判断して本作に対する期待値は極めて低く、最早、原作とは異なるらしい“ともだち”の正体を見とどけることだけが唯一の動機みたいな心境での鑑賞となった訳であるが、最初の方で無理やり提示されるヨシツネ説がミスリードなのは、はなっからモロバレ状態。

な〜あんだ、やっぱり原作の最初のネタをここまで温存しておいただけなのかと思って見ていたら、エンドロールの後に種明かしがあって、真の“ともだち”の正体はなんと原作と同じ人であった。

いや、あの反則技スレスレみたいな原作のオチを採用するとは思ってもいなかったので、正直、これには驚かされた。まあ、マンガよりは丁寧な説明がなされており、そっちを読んでいる人間にとっては“それもアリかなあ”という印象なのだが、読んでいない方にとってはほとんど記憶にも残っていない“彼”があそこで登場すること自体が理解不能だったのではないだろうか。

まあ、製作者側のこの努力に関しては一応肯定的に評価するとしても、それ以外は案の定全滅状態。例によって脚本はグダグダであり、普通のハリウッド映画だったらカンナが主催した野外コンサートでムードを盛り上げておいてから、ケンヂ達が“ともだち”による最後の計画の阻止に立ち向かうっていう展開にすると思うのだが、本作ではこの二つのイベントがほとんど別物として描かれているため、いやー、盛り上がりに欠けるったらありゃしない。

ということで、CGの出来も相変わらず国辱ものであり、155分という上映時間の間、映画館の椅子に座っているのがとても辛かった。それと、“ともだち”の正体が明かされる前にエンドロールで神木隆之介君の名前が出てきてしまうのは、やっぱり何とかならなかったのでしょうか。