去年の新宿末広亭が思いのほか家族に好評だったので、それに続く第二弾ということで、今日は宇都宮市文化会館小ホールで催された「新春市民寄席 桂歌丸と落語芸術協会の精鋭たち」に行ってきた。
実は、半月ほど前、歌丸師匠が肺気腫で入院したというニュースを聞いていたので、代演(最悪の場合は中止?)になるのかとちょっと心配していたんだけれど、宇都宮市文化会館のHPを見ても何のお知らせも出ておらず、まあ、無事退院できたんだろうと信じて、いざ会場へ。
全席自由ということだったので、念のため開場時間の30分前である午後4時をちょっと回った頃に会場到着。既に50人くらいの人が行列を作っていたので、その後ろに並んで待っていると、予定より少々早い時刻に入場開始になり、前から10列目くらいのほぼ中央に座席を確保することができた。
その後、予定どおり午後5時に開演となり、歌丸師匠の弟子で二つ目の桂花丸(演目は「みそ豆」)を皮切りに、去年の新宿末広亭にも出ていた古今亭今輔(新作の「飽食の城」)、三遊亭遊雀(「堪忍袋」の途中まで)と順調に進んでいく。しかし、遊雀がマクラで「歌丸師匠はまだ楽屋に来ていないんですよ」なんてことを言うので、再びちょっと心配になってしまう。
そして、そんな不安な気持ちのまま、膝代りである鏡味正二郎の曲芸が終了すると、次はいよいよ本日のトリである歌丸師匠の出番。“もしかしたら、歌丸の師匠である米丸が出てくるかも知れないよ”なんて娘に耳打ちしながら待っていると、無事、歌丸師匠が登場してくれた。
師匠の話によると、何でもこの12日に退院したばかりということで、今日の高座は本当にギリギリのタイミングだったらしい。まだ大きく息を吐くのが辛いとも言っていたが、そこは流石プロといったところで、外見からはとても病上りとは思えないくらい元気そうで、声にもハリがある。
そんなちょっと長めのマクラが終わり、いよいよ噺の本題へと入っていくと、これがどうやら古典落語らしく、歌丸師匠を新作の人だとばかり思っていた俺にはちょっと意外な印象。後で調べたところによると「おすわどん」という演目だそうで、途中から噺の主人公がまるっきり入れ替わってしまうという珍しい構成の作品であるが、サゲが明快なので、若い人にも受け入れられやすいのだろう。
ということで、出演者の皆さん、地方公演だからといって手を抜くようなこともなく、「笑点」ファンの娘にもとても喜んで頂けたようである。引き続き、第三弾を用意したいところであるが、うーん、“人情噺をみっちりと”っていうのはまだ早すぎるかなあ。