大原美術館

岡山に行く用事があったので、ついでに倉敷の大原美術館を見学。ここは高校の修学旅行のときに一度来たことがあったが、そのときの記憶がほとんど残っていないことを改めて確認しながら館内へ。

こじんまりとした美術館であるが、展示されている作品はとても地方の美術館とは思えない程の超一流レベルであり、モネ、ルノアールゴーギャンモディリアーニなど錚々たる陣容を誇っている。なかでもエル・グレコの「受胎告知」が別格扱いで展示されていたが、そこに描かれている聖母の顔がとてもマンガチックなのが面白かった。

また、たまたま開催されていた企画展「きらめきの結晶〜ギュスターヴ・モローと弟子たち」では、モローの「雅歌」を国立西洋美術館から借りてきた「牢獄のサロメ」と一緒に見ることができ、彼の華麗な作風を堪能することができた。また、華麗という言葉からは程遠いと思われるあのジョルジュ・ルオーが彼の弟子だったというのは何とも意外な事実であり、とても興味深い。

ということで、楽しみにしていたセガンティーニの「アルプスの真昼」が海外の展覧会に貸出中ということで見られなかったのが大変残念ではあるが、全体的にとても満足度の高い美術館だった。実は、入場券を見たら“何度でも入場できます”と書いてあったため、思わず再入館してしまった訳であるが、山歩きで身に付けた持久力がこんなところで役立つとは全く思いもしませんでした。