ライラの冒険 黄金の羅針盤

今年の春休み映画の目玉「ライラの冒険 黄金の羅針盤」を家族で見て来た。映画館では昨年の末頃からずーっとこの作品の予告編をやっていたため、何か“やっと見られた”っていう感じです。

映画の冒頭で説明があるとおり、本作は三部作として製作されたシリーズの第一作目であり、我々の世界と非常に似ている別世界での出来事が描かれている。人間の分身であるダイモンや魔女、鎧グマ、そして我々の世界との繋がりを示すらしいダストの存在等、このパラレルワールドの有り様を要領よく紹介しており、その分、少しエピソード的には物足りない印象もあるが、まあ、一作目の役割は十分に果たしているのだろう。

主演のダコタ・ブルー・リチャーズは、同じダコタでもダコタ・ファニングのような美少女という訳ではないんだけど、優しくて勝気という主人公ライラ・ベラクア役を伸び伸びと演じており、鎧グマの王様を誘惑する(?)シーンなんかの演技はなかなか大したもの。

また、悪役のコールター夫人に扮するニコール・キッドマンは、ちょっと出番が少なかったのは残念であるが、ほとんど地で演じているかのように見える程のハマリ役。このまま最期まで悪役に徹するのか、途中から味方になってくれるのか興味津々です。アスリエル卿に扮するダニエル・クレイグに関しては、まあ、次回作のお楽しみということで。

そして、彼等と並んでとても魅力的なキャラなのが鎧グマのイオレク・バーニソン。表情や動きにはCGとは思えないほどの迫力があり、彼とライバル熊との対決シーンを見ていて“いよいよ実写映画においても(人間が出てこない)CG部分が見どころになる時代が来たんだなあ”とちょっとしんみりしてしまいました。

ということで、全体的には家族向け娯楽映画として手堅くまとめられているんだけど、ストーリーの根底をなす反体制(=教会?)的な展開が今後どうなるのかもちょっと気になるところ。“ダイモンは何かと足手まといになるから欲しくない”という娘も、今のところは付き合ってくれそうなんで、彼女の気持ちが変わらないうちに次回作をお願いします。