隠し剣 鬼の爪

2004年作品
監督 山田洋次 出演 永瀬正敏松たか子
(あらすじ)
片桐宗蔵(永瀬正敏)は、母と妹の志乃そして女中のきえ(松たか子)と貧しくも平穏な暮らしを送っていた。やがて母が亡くなり、志乃ときえは嫁入りしていったが、宗蔵はきえが嫁ぎ先で酷い扱いを受けていることを知り、病の床にあったきえを強引に連れ帰る。その頃、宗蔵のかつての親友、狭間弥市郎が謀反を企てるという事件が発生し、宗蔵に弥市郎を切るようにという藩命が下る….


前作「たそがれ清兵衛(2002年)」が面白かったので、本作にも興味はあったが、松たか子がちょっと苦手なので観るのが遅くなった。

で、内容はというと、時代背景や設定が前作とカブりすぎ。いや、こっちも十分面白いんで、個人的にはまったく差し支えないのだが、山田洋次は何故、二番煎じといわれても仕方ないような本作を撮ったのか、ちょっと気になった。まぁ、単に「前作がヒットしたから」ということなのかもしれず、つまり彼は芸術家というより職人タイプということなんだろうね。でも、これは、個人的にはむしろ喜ばしいことで、できれば宮崎駿にもトトロやラピュタの二番煎じをたくさん作っていただきたいくらいである。

ところで、これは単なる偏見かもしれないが、松たか子はやはりミスキャストだと思う。病の床に伏せっていても全然死にそうじゃないし、畑で野良仕事をやっててもリアリティーないし、最後の宗蔵とのやり取りでは可愛いというより老獪さを感じてしまった。(まぁ、男女関係に関しては、宗蔵よりもバツイチのきえのほうが一枚上手な筈なので、これはこれで良いのかもしれないが….)個人的には、妹役の田畑智子のほうにきえ役をやって欲しかった。