ジョルスン〜再び歌う〜

1949年作品
監督 ヘンリー・レビン 出演 ラリー・パークス、バーバラ・ヘイル

(あらすじ)
アル・ジョルスンの伝記映画「ジョルスン物語(1946年)」の続編。
ジョルソン(ラリー・パークス)は、前妻との離婚を機に一度はショービジネスの世界に復帰するが、心の傷は癒されず?再び長期間の隠遁生活に入る。その後、新しく迎えた妻(バーバラ・ヘイル)の勧めもあって本格的なカムバックを目指すが、時すでに遅く、過去の人になっていた彼に仕事の依頼はなかった….


ストーリーは前作のエンディング直後から始まっており、前作を観ていない人はちょっと戸惑うかもしれないが、まぁ、当時、それだけ前作が大ヒットしたということなのだろう。

ラリー・パークスの熱演も前作どおりであるが、演じるのがジョルスンの中年期以降(しかも病弱)ということで演技はやや抑え気味。ストーリーのほうも前半はこれといった山場がなく、人気が落ちたからといって特に生活に困る風でもなく、親身になってくれる友人はいるし、好きになった看護婦とは難なくゴールインといった調子。

やっと、後半になって“いかにしてカムバックのチャンスを掴むか”ということが焦点になってくるわけだが、このチャンスというのが、なんと前作である「ジョルスン物語」の制作というのにはビックリ仰天。主演は、当然、ラリー・パークス(本人の二役)で、その演技にパークス扮するジョルスンが歌の吹き替えをするというのだが、そのパークス扮するジョルスンの歌声は、勿論、ジョルスン本人の吹替え!という何とも不思議なシチュエーションが展開する。

ということで、見事再起なったジョルスンの笑顔でハッピーエンド。まぁ、前作には相当及ばないものの、ジョルスンの歌う名曲の数々が随所にちりばめられていることもあって、最後まで楽しめる作品になっている。