トリポッド

ジョン・クリストファーによるジュブナイルSF作品。最初、夏休みでヒマをもてあましている娘用に購入したのだが、1巻を拾い読みしていたら結末が知りたくなり、結局4部作を一気に読破!(といっても、本自体が薄っぺらな上、活字も大きいので全然すごくない。)

内容は、典型的な侵略もの。発表されたのが1967年ということで、頭に「キャップ」をかぶらされ、異星人にマインド・コントロールされている人々は共産主義国家の人々を暗に批判しているのかもしれない。でも、決して彼等を「悪人」として扱っておらず、また、ラストのほうで民主主義の難しさみたいなものもちゃんと描いているあたりは、ジュブナイル作品としてとてもバランスがとれており、ちょっと感心。ハインラインでは、とてもこうはいかないでしょう。(でも、同じジュブナイルなら、「夏への扉」のほうが断然おもしろいけどね。)

近々、ディズニーが映画化を予定しているとのことで、トリポッドが丘陵地帯を悠然と歩いていく姿が大画面で観られそう。是非、お金をたっぷりかけて、良質なCG化をお願いしたい。

ところで、金属製のメッシュでできたキャップって、オウム真理教のときに話題になったヘッドギアだよね。このアイデアって、この作品が初出なの?