探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点

今日は、妻からのリクエストにお応えして、二人で「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」を見に行ってきた。

序盤で有力な容疑者の存在が提示されるものの、探偵の調査の矛先はなかなかそちらには向かわず、また、被害者と依頼人との関係に関しても、依頼者の極めて疑わしい説明を探偵があっさり信用してしまうため、見ていてちょっとだけイライラしてしまう。まあ、見終わってみれば、両方とも陳腐な設定で時間をもたせるための“工夫”であったことが良く分かるのだが、これって原作でも同じ扱いなのかなあ。

元々、ストーリーよりも、大泉洋演じる主人公のキャラを楽しむといった類の作品であり、その意味では大きな不満はないのだが、地方に押し付けられた原発という非常に興味深いテーマを持ち出したにもかかわらず、それが十分に活かされていないのが大変にもったいない。先日拝見した「リンカーン(2012年)」の奴隷制度廃止ではないが、橡脇代議士の原発廃止にかける“確信”の程をもって見せて欲しかった。

ということで、本編上映後、大泉洋による舞台挨拶の様子が上映されたのだが、早くも続編の製作が決定されたらしく、ファンとしては喜ばしい限り。「水曜どうでしょう」の新シリーズの方もどうぞよろしくお願いします。

 生誕150年記念 クリムト“黄金の騎士をめぐる物語”

映画を見た後は、妻と一緒に宇都宮美術館で公開中の「生誕150年記念 クリムト“黄金の騎士をめぐる物語”」を見てきた。

グスタフ・クリムト1903年に発表した「人生は戦いなり(黄金の騎士)」をメインにした展覧会であり、時期的には、ウィーン大学の装飾壁画を巡るイザコザ(1890年代)〜ウィーン分離派の結成(1897年)〜ベートーヴェン・フリーズ(1901-1902年)〜ストックレー・フリーズ(1908-1910年)あたりに焦点を当てたかったらしい。

しかし、お目当ての油彩画に関しては、正直、集められるものだけをかき集めてきたという印象の方が強く、「人生は戦いなり」以外で“黄金の騎士”に関係するものは皆無といった状況。「アッター湖畔」と「赤子(揺りかご)」を見られたのは嬉しかったが、正直、「哲学」、「医学」、「法学」やストックレー・フリーズの原寸大写真パネルの方がずっと迫力があった。

ということで、「哲学」等は焼失してしまったらしいが、ベートーヴェン・フリーズやストックレー・フリーズは今でもオーストリアの美術館に保存されているとのことであり、いつの日か実物を拝見したいものです。