センター・オブ・ジ・アース 2D

娘のリクエストで「センター・オブ・ジ・アース」を家族で見てきた。

本作は、“最新の立体デジタル撮影装置フュージョン・カメラ・システムを使用した初の長編大作”ということで、例の3Dメガネをかけて鑑賞すると映像が立体的に見えるという作品なのだが、残念ながら近場の映画館ではその「3D版」は上映しておらず、止む無く「2D版」の方を鑑賞。

ジュール・ヴェルヌの「地底探検」の映画化としては、ジェームズ・メイソンが主演した「地底探検(1959年)」が有名であり、実はこれは俺のお気に入りの作品で、以前、娘を誘って一緒にDVDで見たこともある。それが(2D版とはいえ)最新のSFXを駆使してどのような作品に生まれ変わるのか、俺もちょっと期待していたのだが・・・

まあ、結論から言うと、本作はヴェルヌの「地底探検」の映画化ではなく、そこで描かれていた地底世界を本作の主人公達が再訪するっていう内容の作品だった。したがって、巨大なキノコや地底の海、恐竜なんかが登場するイベントは一緒なんだけど、原作にあったサスペンス的要素は一切省かれてしまっている。

大体、主要な登場人物は3人だけという何のヒネリもないストーリーは、3Dを意識した演出の邪魔にならないようにっていうことだけに専念して書かれているような印象であり、おそらく“ハラハラ・ドキドキ感は全部映像の方にお任せ”っていうことなんだろう。原作のように、ご都合主義的な展開に対して敢えて“科学的な”理屈付けを試みるという姿勢(=すなわちSF)も見られなかったしね。

ということで、本作はディズニーランドの「ミクロアドベンチャー!」のように3D版で鑑賞することを前提とした作られた作品であり、2D版で見たのではその魅力の半分も味わえなかったのかも知れない。それと、元モー娘。矢口真里がヒロインの吹替えを担当していたんだけど、彼女の声は喧しいだけで、残念ながら吹替えには向いていないと思いました。

 いつか晴れた日に

1995年作品
監督 アン・リー 出演 エマ・トンプソンケイト・ウィンスレット
(あらすじ)
19世紀初頭の英国。ダッシュウッド家の当主ヘンリーの死去により、屋敷を含めた全財産を先妻の息子ジョンが相続することになってしまう。残されたヘンリーの妻と三人の姉妹、エリノア(エマ・トンプソン)、マリアンヌ(ケイト・ウィンスレット)、マーガレットは、屋敷に乗り込んできたジョンとその妻とそりが合わず、止む無く知り合いの伝を頼って田舎のコテージへと引っ越すことになってしまう….


ジェーン・オースティンの「分別と多感」の映画化。

不勉強にして原作は読んでいないんだけど、イギリス特有のしっとりとした美しい自然をバックに繰り広げられるエリノア(=理知的+消極的)とマリアンヌ(=感情的+積極的)という対照的な性格を持った姉妹の恋物語はとても面白く、見ていて最後まで飽きさせない。

惚れた男が彼女等から離れて行ってしまう理由を“金”や“昔の約束”といった外的要因のせいにしてしまうあたり、いかにも女性受けしそうな筋立てではあるが、それにもかかわらず、本作の絵に描いたようなハッピーエンドを男の俺でも素直に受け入れられてしまうのは、やはり原作の良さによるものなんだろうと思う。

主演のエマ・トンプソンは、そんな原作の魅力を余すところ無く脚本に取り入れ、本作でアカデミー賞脚本賞を取ってしまったという才女な訳であるが、肝心の演技の方も十分に素晴らしく、まあ、役柄からするとちょっと歳を食い過ぎているような気もしないではないが、相手役のヒュー・グラントの助けもあって、なかなかの好演となっている。

また、「タイタニック(1997年)」のローズ役でブレイクする前のケイト・ウィンスレットは、こっちの方がずっとハマリ役と思える程に魅力的であり、冷酷な役柄が多いアラン・リックマンが、彼女の扮するマリアンヌに対して一途に献身的な愛を捧げる中年男役を健気に演じているのもとても面白い。

ということで、エマ・トンプソン(=トレローニー先生)やアラン・リックマン(=スネイプ先生)以外にも、ジェマ・ジョーンズ(=校医のマダム・ポンフリー)、ロバート・ハーディ(=魔法省大臣のコーネリウス・ファッジ)、イメルダ・スタウントン(=アンブリッジ先生)といったハリー・ポッター・シリーズの出演者が顔を揃えており、彼等の演技を眺めているだけでも十分楽しめました。