権現岳

今日は、休みを取って南八ヶ岳にある権現岳を一人で歩いて来た。

本当は、テントを担いで一泊二日の日程で歩いてこようと思っていたのだが、いつの間にか初雪の心配をしなければならない季節になってしまい、安物のメッシュ仕様のテントではこの寒さに耐えられそうもない。来年回しにしようかとも思ったが、他に適当な山も思い付かず、予定を日帰りに変更して午前5時半頃に観音平の駐車場に到着する。

日の出前ということで周囲はまだ薄暗いが、メジャーなコースなので迷うようなことはなかろうと5時40分に出発。案の定、登山道は明確であり、間もなく不要になったペンライトを消灯してカラマツ林の中を歩いて行くと、6時18分に最初のチェックポイントである雲海に着く。

上空には青空が広がっており、樹間からは富士山や南アルプスの山々が眺められるという絶好のコンディション。押手川(6時49分)の先からは石のゴロゴロした急斜面が続くようになるが、今日は妻の不平を気にする必要は無いので、鉄のハシゴ(7時28分)を上って7時45分に編笠山(2523.9m)。目の前には八ヶ岳の大絶景が待っていた。

周囲には俺も歩いたことのある名山の数々がずっらと顔を揃えており、無人だったこともあってやや興奮気味に写真撮影に勤しんだ後、7時52分に再出発。歩き出すと間もなく青年小屋の青い屋根が視野に入り、最後は大きな石の上を目印に従って下りながら8時11分に青年小屋。ここで残り少なくなったGPSの電池を交換しながら10分程度の休憩をとった。

さて、再出発(8時22分)後しばらくは樹林帯の中を進むが、のろし場(8時43分)付近からは荒々しい表情をした周囲の山々を眺めながら歩けるようになる。最初の鎖場(8時56分)を過ぎると西ギボシはすぐそこであり、9時ちょうどに到着。目の前に聳える東ギボシ権現岳の迫力は圧倒的であり、思わず写真を撮って娘にLINEしてしまう。

その先の岩場のルートは落石が心配だが、今日は周囲に人の姿は見当たらないので気分的には楽。そうはいっても万が一のことを考えて落石を起こさないように慎重に進んでいくと、9時14分に着いた東ギボシの頂上では黒っぽい石に彫られた仏様が待っていてくれた。

ここまで来てしまえば目指す権現岳はもう目の前なのだが、数m移動しただけで赤岳をはじめとする南八ヶ岳の山々の表情が微妙に変化していくので、それに見とれていてなかなか先に進めない。それでも権現小屋(9時23分)〜分岐(9時26分)と歩いて9時34分にようやく権現岳(2715m)に到着する。

周囲には誰もいないが、刀剣が立っているだけの狭い山頂は休憩に不向きであり、石の祠のあるところまで移動して大休止。八ヶ岳南アルプス、富士山といった山々に囲まれた山頂からの景色は素晴らしく、いつまでもゆっくりしていたいところだが、さすがに気温は低くてカップラーメンを作ってもすぐに冷めてしまいそう。やむを得ずコーヒーと菓子パンだけで空腹を癒やし、9時53分に下山に取り掛かる。

さて、下山路もしっかり整備されているが、権現岳までがあまりにも恵まれすぎていたせいでちょっぴり見劣りしてしまう感じ。10時29分に着いた三ッ頭(2580m)の山頂から八ヶ岳の山々に別れを告げると、最初はなかなか雰囲気の良い雑木林の中にルートは続いており、そこを歩いて木戸口公園(11時9分)〜ヘリポート(11時20分)。

しかし、高度が下がるにつれて周囲の見晴らしも無くなってしまい、正直、少しだけ飽きてきてしまうが、まあ、文句を言っても仕方がないので、延命水分岐(11時57分)〜八ヶ岳横断歩道(12時10分)と黙々と歩き続け、12時36分に駐車場まで戻ってくる。本日の総歩行距離は12.0kmだった。

ということで、軽アイゼンやら防寒具やら、持参した冬山グッズは一切使わずに済んでしまい、至極順調に山歩きを楽しむことが出来たのだが、好事魔多しということで帰りの圏央道で事故による渋滞&通行止めに巻き込まれてしまい大苦戦。八王子西ICからあきる野ICまで下道で移動するのに数時間を要してしまい、ようやく帰宅できたのは20時過ぎのことでした。