両神山

今日は、秩父にある日本百名山の一つである両神山を歩いてきた。

この山を歩く計画を立てたのはおそらく4、5年以上前のことだったと思うのだが、自宅からの距離が遠いことに加え、岩場がそれほど好きでも無い(?)ことからなかなか実行に移せないでいた。実を言うと今回も本命は巻機山だったのだが、強風の天気予報に恐れをなしてしまい、急遽、事前学習の済んでいるこの山に変更したという次第。

さて、登山口のある金山志賀坂林道の全面開通が遅れているため、志賀坂トンネルの方からでは林道に入ることが出来ず、ぐるっと遠回りをして滝沢ダム経由で午前5時前に上落合橋登山口に到着。路肩の駐車場には前泊らしいものを含めて数台の車が止まっていたが、まだ十分に余裕があり、身支度を調えて5時3分に歩き始める。

登山口に設置されたハシゴを上り、しばらくは沢沿いに付けられたルートを進むと、やがて沢を離れて左手の急な斜面をジグザグに上って行く。さすが日本百名山ということで、日向大谷からのメインルートでなくても標識はきちんと整備されており、次第に岩っぽい雰囲気が濃厚になっていく中、5時41分に八丁峠着。

峠のベンチには男性が一人休憩されていたが、まだ疲れていないのでそのまま先に進むと5時50分に最初の鎖場が現れる。ここでシングルストックをザックに収納し、両手を使って岩場をよじ登っていくが、岩は固いチャートで出来ているのでそれほど難しくはない。手掛かりが少ない箇所では遠慮無く鎖を使わせて頂き、6時11分に行蔵峠に着く。

実は、先ほどからルート沿いに咲いているアカヤシオの群生が気になっていたのだが、それを含んだこの場所からの眺望は素晴らしく、思わず足を止めてしばし休憩。すると、八丁峠のベンチで休んでいた方と思われる単独男性が上ってきたので、“綺麗ですね”と一声かけてから再び歩き出す。

一度急降下してから上り返したところが西岳(1613m。6時18分)であるが、その後も細かいアップダウンが頻出するのでなかなかスピードは上がらない。途中、下るべき岩場を上ってしまい、ルートを見失ってちょっと焦ったが、なんとかミスはこの1回だけに止めて6時54分に東岳(1660m)着。ベンチに座って軽く休憩をとった。

東岳を過ぎると岩場は見当たらなくなり、順調にスピードアップ。天気は良いし、風も比較的穏やかということで山歩きには最高の環境であり、最後の鎖場を越えるとそこが両神山の山頂(1723.3m。7時20分)。数人の先客に混じって証拠写真を撮っていると、先ほどの単独男性も上ってきた。

さて、しばらく休憩してから下山しようと腰を上げると、その単独男性から“縦走するのか”と尋ねられる。確かに時刻はまだ8時前であるが、今日はGWの渋滞に巻き込まれる前にさっさと帰宅するつもりであり、“近道を使って直接駐車場に下りる”と答えたところ、“一緒に行っても良いか”という予想外の申し出。まあ、断る理由も無いので御一緒させて頂くこととし、7時35分に下山に取り掛かる。

すぐ先の分岐のところでロープを潜って右手に入り、しばらく進んでいくと再びロープで立入り禁止になっているところ(7時39分)に着く。ここが近道の入り口らしいのだが、(数年前の)事前学習で確認しておいた「作業道」の標識が見当たらない。念のためにもう少し先まで捜索してみたが、結局、標識は見つからず、名古屋から来たという同行者の方と協議の上、先ほどのロープのところ(7時46分)まで引き返す。

おそらく「作業道」の標識は撤去されてしまったのだろうということで、立入り禁止のロープを潜ってみると、その先には確かに踏み跡が続いており、ここが近道で間違いないらしい。涸れ沢を渡るところで何度か踏み跡を見失いそうになるが、同行者の方の助けも借りて何とか間違わずに進んでいくとやがて明瞭な尾根道となり、そこを下って8時34分に駐車場まで戻ってくる。本日の総歩行距離は5.7kmだった。

ということで、予定どおり渋滞に巻き込まれることも無く帰宅することが出来たが、所要時間3時間31分の山歩きのために往復6時間以上車を走らせるのは、やっぱり納得いかないところが無きにしも非ず。次は、もう少しのんびりと長時間歩ける山を探してみようと思います。