穂高岳(1日目)

今日は、テント泊山行を始めた頃からの憧れである涸沢&穂高岳へ出発する日。

予定では、初日の今日は横尾経由で涸沢まで行ってのんびりテント泊、翌日は軽装備で北穂高岳から奥穂高岳まで縦走した後、ザイテングラードを下って涸沢で2泊目、最終日はパノラマコースを使って上高地まで下りてくる。天気予報によると今日の降水確率は70%らしいが、まあ、今日は涸沢までなので問題はないだろう。

途中まで、2020年のオリンピック開催地を決めるIOC総会のニュースを聞きながら車を走らせていたのだが、長いトンネルに入った後は電波が届かず、最終結果がどうなったのか分からないまま新しくなった沢渡バスターミナル隣の第3駐車場に到着。小雨がパラつく中を午前5時40分の始発バスに乗って上高地に向かう。

あいにくの天気ということで、上高地も人影はまばらであり、そんな中、今回が初使用となるグレゴリーのザックにレインカバーを被せてから、傘をさして6時11分に出発。ザックに括り付けるつもりだったヘルメットは、仕方がないのでレジ袋に入れて手で持つことになってしまい、これがちょっと格好悪い。

両手が塞がってしまったため、持参したシングル・ストックはザックに装填したまま、明神(6時51分)〜徳沢園(7時28分)と歩き、8時12分に横尾に到着する。少し前から雨脚が強まってきたので、公衆トイレの軒下でレインスーツに着替えて再出発するが、面倒臭いのでシングル・ストックはそのまんま。

さて、横尾大橋から先は未知の世界であるが、ルートは明確だし、涸沢から下山してくる大勢の登山客とすれ違うため、道迷いの心配は全くない。本谷橋(9時14分)を渡ったところで休憩するつもりだったが、降りしきる雨の中では全く気分が休まらず、スポーツドリンクを2口飲んだくらいで再出発。雨は覚悟の上であったが、地図を出すのが面倒なので現在地を把握することも出来ず、長々と続く上りにだんだん気持ちが荒んでくる。(?)

ようやく視界は開けてきたものの、山小屋やテント場の姿は認められず、あとどれだけ歩けばよいのか分からないまま消え残った雪渓の隣で2度目の大休止。しかし、再び歩き出してみると、そこが涸沢小屋分岐(10時50分)のすぐ手前だったことが分かり、10時59分、ようやく涸沢ヒュッテに着くことが出来た。ここまでの歩行距離は17.9kmだった。

ここでテントを張るために、パノラマ売店の屋根の下で雨脚が弱まるのを待っていたのだが、ホットミルクを飲み終え、ラーメンを食べ終わっても、一向にその兆しは見えてこない。しかも、雨と汗とで濡れた体はだんだん冷えていき、このままでは風邪を引いてしまうということで、今日のテント泊は諦め、ヒュッテに宿泊させてもらうことにした。

ということで、ひょんなことから山小屋初体験になってしまったのだが、幸い一人一布団は確保されており、同室になった石巻市からいらした男性も茨城からいらした若者も礼儀正しい方々ばかり。いびき等の騒音も恐れていたほどではなく、いつの間にか眠りについてしまいました。