ジュリエットからの手紙

2010年作品
監督 ゲイリー・ウィニック 出演 アマンダ・セイフライドヴァネッサ・レッドグレーヴ
(あらすじ)
ニューヨークで雑誌の調査員をしているソフィ(アマンダ・セイフライド)は、婚約者ヴィクターと一緒にプレハネムーンでイタリアのヴェローナを訪れる。しかし、念願のレストラン開店を間近に控えた彼は食材探しに夢中であり、仕方なく一人で“ジュリエットの家”を訪れたソフィは、そこで“ジュリエットの秘書”の女性たちと出会い、偶然にも壁の中に隠されていた一通の古びた手紙を見つける….


妻からのリクエストにお応えして、家族みんなで鑑賞。

ソフィが見つけた手紙は、イタリア人の青年ロレンツォとの結ばれぬ恋に悩む英国人女性クレア(ヴァネッサ・レッドグレーヴ)が今から50年前に書いたもの。その手紙にソフィが“ジュリエットの秘書”として返事を書いたところ、それを受け取ったクレア本人が孫のチャーリーを伴ってヴェローナまでやって来てしまい、ソフィも一緒になってロレンツォの消息を探すことになる。

ヴェローナが舞台ということで、勝手にヨーロッパ映画だと思い込み、見る前から「舞踏会の手帳(1937年)」のイタリア版を期待してしまっていたのだが、実際の内容はコテコテのハリウッド映画であり、いきなりニューヨークの街が映し出されたときは、正直、ちょっと面食らってしまった。

個人的にはハリウッド流のラブコメ映画も決して嫌いではないのだが、あの白黒ハッキリしたアップテンポのストーリーというのはニューヨークやロサンゼルスといった大都会にこそ似合うものであり、中世の雰囲気が色濃く残されたヴェローナやその周辺といった長閑な風景の中で見ると、ちょっと違和感が目立つというのが正直な感想。

まあ、最初からハリウッド映画だと分かって見ていれば、別の感想になっていたのかもしれないが、50年ぶりに再会したクレアとロレンツォが何の葛藤もないまま簡単に結ばれてしまうというのはやはり不自然だし、イタリア人の皆さんが日常会話の中で流暢な英語を話すのもかなり残念だった。

ということで、ヴェローナは4年前の我が家のイタリア旅行の際にも訪れた場所であり、その美しい町並みは今でも強く印象に残っている。“ジュリエットの家”にも行ったけど、そのときは観光客でごった返しており、残念ながら映画のようなロマンチックな雰囲気は皆無でした。