今日は、屋久島観光の定番である縄文杉トレッキングを楽しんでくる予定。
縄文杉までは白谷雲水峡からも歩いて行けるらしいのだが、今回はあくまでも“妻と一緒に歩くときの下調べ”であり、最もポピュラーな荒川登山口からのルートを選択。しかし、交通規制によってそこまでレンタカーで行くことはできない故、屋久杉自然館を午前5時に出発するバスに間に合うように宿を出る。
この始発バスに乗ったのは29人だが、係りの方の話によると今日は修学旅行の予定がバス2台分入っているそうであり、なかなか賑やかな山歩きになりそうな予感。定刻に出発したバスは5時半頃に荒川登山口に着いたので、トイレをお借りしてから5時36分に歩き出す。今日は、昨日購入しておいた携帯トイレ(=昨日は間に合わなかったが、往路での水分補給を制限したせいか、その必要性は生じなかった。)持参だが、まあ、念には念を入れておくべきだろう。
さて、最初は有名なトロッコ道を歩いて行くのだが、橋を渡った先にはトンネル(5時39分)が出てくる等、なかなか楽しそうな雰囲気。その先では線路の左側に大きな一枚岩(?)が迫っており、数年前のような大雨のときにはここが滝状になってしまうのだろうが、本日の天気は昨日に引き続き無風快晴であり、そんな心配は全く無用である。
さらに進むと頭上に桜の花が咲いており、ちょっとビックリしてしまったが葉っぱの形が違うのでこれがサクラツツジなのかもしれない。ここまでガイド付きの団体客はかなり前に追い越してきたものの、歩くスピードを落とした途端に数人の単独行の若者に追いつかれてしまい、その度に先を譲る。どうやら縄文杉一番乗りは難しそうだが、何とか修学旅行生による人混みができる前には到着したいものである。
さて、小杉谷小・中学校跡(6時18分)のところで左に急カーブしてからも、楠川分れ(6時40分)~トイレ(6時43分)~三代杉(6時44分)~仁王杉(7時18分)とトロッコ道は続くが、昨日、その付近を歩いた爺ケ岳が見える(7時28分)ようになると終点間近であり、7時32分に大株歩道入口に着く。ここからはトロッコ道を外れて山の急斜面を上っていくのだが、間もなく団子になって歩いている単独行の若者たちに追い付いてしまい、今度はこちらが先を譲ってもらう。
おそらくこれで日帰りチームの先頭に立てた筈であるが、少し前から反対側から歩いてくる縦走者とすれ違うようになっており、いずれにしても縄文杉を独り占めするのは難しそうだなあ。しかも、その人数は10名や20名にとどまらず、う~ん、“コロナ禍下における山小屋利用は推奨されていない”という情報は何だったのだろう?
まあ、やっかみ半分でそんなことをボヤきながら歩いていると、7時48分にウィルソン株に到着。やはり2人の縦走者がいらしたものの、すぐに離れて行ってくれたのでゆっくり内部を観察することができたが、上部の空間をハート形になるように撮るにはコツが要るようであり、なかなか上手くいかない。外に出たところで単独の縦走者に話しかけられたが、その若者は2泊3日の日程で縦走しているそうであり、正直に“羨ましい”と伝えておいた。
その後、長い階段の途中でヤクシカとの再会を果たしてから、8時22分に大王杉。名前は付いていないものの、その周囲にも杉の巨木が点在していおり、昨日歩いたところよりこちらの方が杉の生育に適しているのかもしれない。そして、その頂点に君臨しているのが縄文杉であり、(南側デッキには人の気配がしたので)8時50分に着いた北側デッキからようやくその雄姿とご対面。
京都の北山杉のようにきちんと間伐や枝打ちをされて育てられた杉林も美しいが、自然のまま自由奔放に幹や枝をくねらせた縄文杉の迫力は圧巻であり、うん、確かに一見の価値はある。その後、南側デッキに移動するが、2、3名程度の登山者の姿が途絶えることはなく、“独り占め”は諦めて9時3分に下山に取り掛かる。
帰りのバスは荒川登山口15時発の予定であり、まだ時間はたっぷりあるものの、ここでのんびりしていても“バス2台分の修学旅行生”が押し寄せて来るのを待つだけになってしまうだろう。そんなことを考えながら大王杉(9時25分)~ウィルソン株(9時59分)と往路を引き返していくと、案の定、修学旅行生を含む多くの登山者とすれ違うことになるが、大株歩道入口(10時11分)まで戻ってきた頃には周囲の人影はかなり減っていた。
ここから再び長~いトロッコ道を歩くことになるが、この時間帯になれば対向者はほとんど居ない筈であり、スマホの音楽を鳴らしながらのテクテク歩き。選曲は、トロッコ道に因んでBob Dylanの「Blood on the Tracks」にしてみたが、途中で出会ったヤクシカやヤクザル(×2)からも特に喧しいとのクレームはなかったように思う。
さて、11時53分に荒川登山口まで戻ってくると、ここまでの総歩行距離は21.6kmであり、建物の前のベンチに座ったご老人一人(=修学旅行の付添とのこと。)以外、全く人影は見当たらない。飲み物の自販機が無いのは予想外だったが、建物の内部では無料Wi-Fiを使うことも可能であり、明日の帰路の確認等をしながらのんびりバスの時刻を待つ。そう言えば、今日も携帯トイレの出番はなかったなあ。
そうこうしているうちにぼつぼつ後続者が到着するようになり、中にはバスを待たずにタクシーを呼ぶ方もいるみたい。俺も一度誘われたが、まあ、宿に帰っても特にやることはない故、15時発のバスを待って帰途につく。ちなみに、そのバスに乗ったのはほとんど単独行の方々ばかりであり、ガイド付きの団体さんたちは相当スローペースで歩いているようである。
ということで、今日も予定より早く宿に帰ってきてしまったが、そのおかげで16時半からの一番風呂を独占できるのが有り難い。肝心の縄文杉トレッキングは、距離は長いもののその半分以上を占めるトロッコ道は平坦であり、妻でもそれほど無理せずに歩いてこられるだろう。残る問題は“下山後のお楽しみ”だけということになりそうです。