堅破山

今日は、妻と一緒に茨城県日立市にある堅破山を歩いてきた。

先月の持丸山のお詫びの意も込めて、今度は妻をちょっぴりメジャーな山にお連れしたいと考えていたのだが、一向に収束の傾向を見せないコロナ第3波の影響により、当面、南関東の山は諦めざるをえない。そこで白羽の矢を立てたのがこの堅破山であり、最後は砂利道の林道を走って午前8時頃に駐車場に到着する。

身支度を整えて8時9分に出発。事前学習によると、この山には色々な“奇石”が点在しているらしいのだが、歩き出して最初に出会うのが不動石(8時18分)。名前のとおり巨石の上には不動明王の石像が祀られているのだが、今の時期にはその隣に立つ楓の木の方が圧倒的に目立っており、鬱蒼とした杉林の中に一際映えるその黄葉の美しさは何やら神秘的な雰囲気を醸し出していた。

その後も、烏帽子石(8時23分)~畳石(8時27分)と次々に現われる奇石を見物しながら緩やかな斜面を進んでいくと、弁天池の先には立派な鳥居と仁王門(8時40分)が建っている。そこをくぐって少々傾斜の増した階段状の斜面を上って行くと間もなく広場のような場所に到着し、そこには黒前神社の立派なお社(8時47分)がある。

境内には舟石や甲石といった奇石も見られるが、目指す堅破山の山頂はこのお社の裏山にある筈であり、さして長くない急斜面を上っていくと、何とそこには別のお社(8時54分)が建っている。帰宅後調べてみるとこちらが黒前神社の拝殿・本殿のようであり、先程のお社は釈迦堂と呼ばれているらしい。

そこから堅破山(657.8m)の山頂まではあっと言う間であり、お詣りを済ませた後、8時58分に到着。見晴らしのない山頂には茨城県の山らしく見晴台が設置されており、その上からは高鈴山や神峰山といった日立市内の山々が良く見える。昨年、一人で日立アルプスを歩いた際、神峰山の山頂を踏み忘れてしまったことを妻に話してみたが、いつか付き合ってもらえるのだろうか。

さて、まだ歩き始めてから1時間も経っていないので、ここは休憩抜きで先に進む。一度、釈迦堂まで引き返し、今度は弁天池方向には下らずに尾根伝いに歩いて行くと、9時14分に現われるのが太刀割石であり、これが今回の山行の最大のお目当て。写真から想像していたよりもかなり大きく、妻も物珍しそうに眺めている。

今話題の「鬼滅の刃」のTVアニメ版に登場する“岩”のモデルとしては奈良の「一刀石」が有名らしいが、この太刀割石もなかなかの迫力。弁天池の手前にあった炭焼き窯とセットで宣伝すればアニメファンの人気を掴めるかも、と思ったが、よく考えてみればこの周辺には観光客相手の施設は皆無であり、ファンが殺到しても狭い道路が混雑するだけで地元には何のメリットもないだろう。

そんなことを妻と話しながら歩いて行くと、ルートは伐採地の方へと下りていき、軍配石(9時26分)~神楽石(9時35分。太刀割石のミニチュア版)の先の分岐(9時44分)には“奈々久良の滝まで300m”の表示がある。事前学習で目にしたこの滝の評価は必ずしも高くないようだが、まだ全然歩き足らない故、妻には内緒にしてそちらへ向かう。

結局、分岐から10分もかからずに奈々久良の滝(9時52分)に着いてしまったが、こちらも写真のイメージよりずっと立派であり、冬涸れのためか、流量は少ないものの、それはそれでなかなかの味わいがある。上下二段に分かれているが、すぐ傍の階段を使えば上の段に行くことも出来、幸い妻もとても喜んでくれた。

その後、先程の分岐(10時6分)まで引き返してしまうと、そこから先には奇石や滝といった見所は皆無であり、歩きやすい林道をテクテク歩いて10時25分に駐車場に戻ってくる。本日の総歩行距離は4.9kmであり、妻には少々楽をさせすぎてしまったが、まあ、たまにはこんな山歩きがあっても良いだろう。

ということで、このまま帰宅するのも中途半端なので、妻が行ったことのないという常陸太田市竜神大吊橋を見学。彼女にごく軽い高所恐怖症の傾向があることが判明したのは愉快だったが、多くの若者たちが挑戦していたバンジージャンプは俺にとっても恐怖であり、その後、道の駅もてぎで昼食(=話題のゆず塩ら~めんは俺には少し淡泊すぎた。)&買い物を済ませてから無事帰宅しました。
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