鳥海山

今日は、山形と秋田の県境付近に位置する鳥海山を歩いてきた。

待ちに待った平日の三連休ということで、当初は一泊二日の日程で雨飾山に行こうと思っていたのだが、どうも天候の方が思わしくないらしい。予報図を見ると北に行くほど天気は良さそうであり、前々日になって急遽目的地を鳥海山に変更し、象潟登山口にある鉾立山荘に宿泊の予約を入れた。

一番の問題は宿までの超ロングドライブであるが、昨日の午前中に自宅を出発し、東北道~山形道~日本海東北道と順調に(?)車を走らせて午後4時過ぎに鉾立山荘に到着する。秘かに期待していたとおり今夜の宿泊者は俺一人であり、コロナを気にすることもなく、広い和室に布団を敷いてゆっくり就寝。

さて、今朝は午前4時前に起床し、部屋を片付けてから車へ移動。車内で身支度を整えているうちに山際が明るくなってきたので、4時28分に歩き出す。昨日のうちに下見しておいた登山口で登山届を投函し、コンクリートの階段を上って行くと間もなく鉾立展望台(4時37分)に到着。まだ薄暗いものの上空に雲はなく、これは好天が期待できるかもしれない。

ルートは緩やかな上りでとても歩きやすいのだが、調子に乗ってバテてしまってはつまらないのでスピードは控え目に。シラネニンジンやミヤマウスユキソウを愛でながらのんびり歩いて行くと、その先ではニッコウキスゲがまだ綺麗に咲いており、やはり北国に来たんだなあという感慨にふけりながら賽の河原(5時24分)に着く。

すっかり明るくなった上空には青空が広がっているが、目指す山頂方向には雲が掛かっているようであり、無情にも御浜小屋(5時52分)の先からはガスと強風に悩まされるようになる。しかも、向かい風のために眼鏡がすぐに曇ってしまうのが困りものであり、その度に立ち止まっては軍手で露を拭う。

そんな状況のまま御田ヶ原(6時9分)~八丁坂(6時22分)と歩いて行くと、“ここは外輪山・千蛇谷分岐”と書かれた標識(6時38分)に行き当たるが、千蛇谷方面へはロープで通せんぼがしてあって進めない。やむなく外輪山方面へ向かうが、何とその先にも同じ内容の書かれた標識(6時41分)が立っており、そこを左に入って千蛇谷へと下りていく。

一番低いところにはまだ雪渓(6時52分)が残っており、それを渡ると今度は長い上り返しが待っている。周囲にはお花畑が広がっているのだが、濃いガスのせいで見栄えはいまひとつであり、前回の月山といい、山形方面の山とは相性が悪いのかしらと訝しみながら御室(7時55分)に到着。

そこには大物忌神社が建っており、せっかくなのでお参りをさせて頂いてから最終目的地である新山へと向かう。最初はたいしたことはないだろうと軽く見ていたのだが、大きな岩の積み重なったルートを進んでいくのはなかなか大変であり、事前学習不足を痛感させられる。眼鏡がすぐに曇ってしまうため、岩に書かれた目印を探すだけでも難儀であり、ようやく山頂(2236m、8時36分)にたどり着いたときには、正直、ホッとした。

さて、せっかくの無人の山頂ではあるが、10m先も見えないようなガスのために周囲は真っ白であり、数分休んだだけで下山に取り掛かる。岩に書かれた矢印の向きが不統一のために何度かまごついてしまったが、胎内くぐりを通り抜け、七高山方面への分岐まで下りてくると時刻はまだ9時7分であり、そこを左折して予定どおり外輪山へ向かう。

しかし、少し先の鎖場に取り付こうとしたときに左太股の裏側に違和感を覚えてしまい、思わず急停止。幸いまだ痙攣はしていないが、こんなところがつりそうになったのは初めての経験であり、この状態で外輪山のアップダウンを歩けるのかちょっと不安になる。しかも濃いガスと強風のせいでおそらく眺望は絶望的であり、また天気の良い日に妻と歩けばイイヤということで引き返すことに決定。

視界が悪いためにここでも何度かまごついてしまったが、何とか御室小屋(9時27分)まで引き返し、LINEを使って家族に計画変更を連絡する。そこから先は往路を引き返すだけなので道迷いの心配は無用であり、外輪山・千蛇谷分岐(10時26分)~御浜小屋(11時4分)~賽の河原(11時23分)と歩いて12時5分に駐車場まで戻ってくる。

幸い千蛇谷からの上り返しでも左太股に痙攣を起こすようなことはなく、下るに従って天気が好転していくのがちょっぴり恨めしかったものの、御浜小屋から先では美しい日本海を眺めながら歩くことが出来たので、まあ、一応満足ということにしておこう。本日の総歩行距離は15.4kmだった。

ということで、車での帰宅も往路を引き返すだけであり、安達太良SAで遅い昼食をとっただけで無事帰宅。そんな訳で山歩きの方はまあまあの出来に終わってしまったが、それ以上に秋田県までの超ロングドライブを一人でやり遂げたことの満足感の方が大きく、今後の自信にも繋がりそうです。
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