蔵王山と月山(1日目)

今日は、妻と一緒に3年越しの懸案である月山制覇に出発する日。

勿論、愚策としか言いようのないGo Toナンチャラに踊らされた訳ではなく、宿の手配は6月中旬に済ませておいたのだが、その後、予想外の事態が2件発生。その一つが意外に早かったコロナ第2波(?)の襲来なのだが、まあ、北関東と東北という田舎から田舎への往復であればそれほど感染拡大のリスクはないだろう。

もう一つの予想外はなかなか明けてくれない今年の長梅雨であり、天気予報を見てもずらっと傘マークが並んでいる。今日は、最初に蔵王山を最短コースでクリアしてから月山の登山口付近にある宿に向かう予定だが、自宅を出るときの空模様は今にも降り出しそうな曇天であり、せめて土砂降りにならないことを祈りながら午前10時頃に蔵王刈田駐車場に到着する。

途中は降ったり止んだりの状況だったが、駐車場の上空は一部青空がのぞけるほどの薄曇りであり、どうやら雨雲の上に出られたような様子。予想外の展開に気分は上々であり、素早く身支度を整えて10時19分に出発すると、トイレをお借りしたレストハウスのすぐ先が熊野岳と刈田岳の分岐(10時25分)になっており、勿論、我々は蔵王山最高峰である熊野岳を目指してそこを左に進む。

馬の背と呼ばれる緩やかな上り坂は快適なハイキングコースであり、スニーカーを履いただけの軽装のハイカーの姿もチラホラ。しばらく進んでいくと右手にエメラルドグリーンの水をたたえた御釜の様子が目に入るようになり、長男が小さかった頃、立石寺観光の帰りに立ち寄ったことを思い出す。あのときは一面白い靄に覆われていたのだが、御釜の見える位置に着いた瞬間、さっと靄が消えてくれたんだよね。

その先で登山道は3つに分かれるが、妻が選んだのは一番遠回りになるルートであり、見る角度によって徐々に姿を変えていく御釜の様子を眺めながら、やや勾配の強まった斜面をゆっくり上って行く。すると、やはり神様はいるものであり、足下にコマクサの花が咲いているのを発見。最短コースを歩いたのでは、“高山植物の女王”と呼ばれる彼女たちとの出会いは叶わなかっただろう。

さて、斜面を上り切ると北側の景色が眺められるようになり、熊野十字路(11時7分)を経て11時14分に熊野岳(1841m)の山頂に建つ熊野神社に到着する。登山者の姿が増えてきたのでマスク代りのネックゲイターを鼻の上まで引き上げてから周囲の絶景を楽しむが、山頂の先にも魅力的な登山路は続いており、うーん、本来は一日かけてのんびり歩くべき山なんだろうなあ。

そうは言っても予定の変更は不可であり、しばらく山頂で休憩を取ってから今度は最短コースで下山する。かなり下りてきたところに御釜の見学コースみたいなものがあったのでそこに入ってみるが、御釜に近付くためにはまた逆戻りしなければならず、それとは反対方向に進んでレストハウスまで戻ってくる。駐車場に着いたのは12時36分のことであり、ここでの総歩行距離は5.5kmだった。

ということで、途中、「蔵王山麓あずきや」というお店で空腹を満たした後、再び車を走らせて本日の宿である「休暇村庄内羽黒」に無事到着。4連休の最終日ということで宿泊客が少な目だったのは狙いどおりであり、明日の天気も本日のような幸運が続くことを願いながら眠りにつきました。
f:id:hammett:20200801064748j:plain