ロケットマン

今日は、妻&娘と一緒にエルトン・ジョンの半生をテーマにしたミュージカル映画ロケットマン」を見てきた。

キングスマン(2014年)」のシリーズで主演を務めているタロン・エガートンは我が家でもなかなかの人気者であり、そんな彼があのエルトン・ジョンを演じるとなっては見逃す訳にはいかない。彼の歌の腕前は「SING/シング(2016年)」のゴリラ青年ジョニーの吹替えで実証済みであり、ワクワク気分で映画館へ。

さて、ストーリーは、両親からの愛情に恵まれなかったレジナルド・ドワイト少年が、ピアノの才能が認められて王立音楽院に入学。その後、ロック・ミュージックに出会った彼はエルトン・ジョンと名乗るようになり、ハンサムな作詞家バーニー・トーピンと意気投合してヒット曲を連発するというもの。

そんな順風満帆に見える彼の人生に暗い影を落としていたのは、ゲイであることを告白したときに母親から告げられた「誰からも愛されない」という呪縛。孤独に耐えきれずに酒と麻薬に溺れていった彼は更生施設へ入所することになってしまうが、最後は旧友バーニーの支援もあって“I’m Still Standing”を歌いながら無事に現役復帰を果たす。

勿論、エルトン・ジョンのヒット曲が沢山出てくるのだが、必ずしも発表時期に忠実という訳ではなく、例えば“I’m Still Standing”がヒットしたのは1990年に更正施設に入所する7年前の1983年のことらしい。まあ、本作がジュークボックス・ミュージカル仕立てであることを考えれば当然のことであり、そのときの状況に一番マッチする内容の歌詞を持つ作品が選ばれたからに過ぎない。

そのほとんどの曲を自分で歌っているタロン・エガートンの歌唱力は見事なものであり、母親の家系といわれる薄毛を含めてお世辞にも二枚目とは言えないエルトン・ジョンの役を達者に演じている。実話ベースということで少々ドラマチックな展開に欠ける点と、一つの曲が尻切れトンボに終ってしまう(=“Daniel”に至っては、ほんの歌い出しのところだけ!)ことが多いのが残念だったが、ひょっとするとアカデミー賞争いにも絡んでくるのかもしれない。

ということで、「ボヘミアン・ラプソディ(2018年)」のフレディ・マーキュリーを見たときも思ったのだが、エルトン・ジョンがゲイであり、バーニー・トーピンに片思いしているというのは中高生だった頃の俺でも知っていた有名な話であり、彼がそんなこと(?)で悩んでいたというのはかなり意外。そんな両者を食い物にしていたというマネージャーのジョン・リードの言い分も、ちょっぴり聞いてみたいような気がします。