不動岳には行き着けず

今日は、約10ヶ月ぶりとなるお手頃なロングコースの第30弾ということで、佐野と鹿沼の市境上に位置する(高い方の)不動岳の南に伸びる尾根を歩いてきた。

 

地形図を見ると、その尾根は615Pのところで二股に分かれており、まあ、これまでの順番からすれば南の方を先に歩くべきだろう。そう思ってネットで情報収集していると、そのさらに南に位置するウナギの背骨のような尾根を歩いたという事例を見つけてしまい、しばし困惑。結局、両方の尾根をまとめて歩いたというレポートを参考にさせて頂き、午前6時前に駐車場があるという佐野市の今宮神社に到着する。

 

身支度を整えて6時37分に歩き出し、ちょっと高いところに建っている祠を目指して右手の階段を上っていく。事前学習によると、この付近の尾根には防獣柵が張り巡らされており、皆さん、それを突破するのに苦労されているらしいのだが、今日はこの祠の裏手に柵の出入り口があるという有力情報を入手しているので心配無用。

 

ところが、実際に探してみるとこれが全く見つからず、長~い柵の前を何度も行ったり来たり。それ程頑丈に出来てはいないので、柵を乗り越える訳にもいかず、10数分間の探索の末、ここからの尾根への取付きを断念。本日の終点に予定していた“ウナギの背骨のような尾根”の南端から逆回りに周回することにする。

 

さて、事前学習の過程で何番目かの候補に挙がっていた秘密の駐車スペースへ移動し、7時3分に再出発。本来なら出来るだけ尾根の南端から取り付きたいところであるが、正直、このときの気分はほとんど最低であり、程なく見つかった防獣柵の出入り口の目の前にあった支尾根から強引に取り付いてしまう。

 

大量の枯葉をものともせずに上った先には岩場の小ピークがあり、これで目的の尾根に乗ったらしい。起伏はあまり無いものの、砂混じりの地面と大量の枯葉の組合せはとても滑りやすく、周囲の立木伝いによじ登らなければならない斜面も何度か登場。枯れ枝を拾ってストック代わりに使ってみるが、地面が固いのであまり良い効果は得られない。

 

7時53分、尾根上に立ち塞がる「常盤簡易水道第二配水池」の建物の脇をすり抜けて進んでいくと、その先に目印になるようなモノは見当たらず、唯々地味~な尾根がずっと続いている。いくつか当たりを付けておいたエスケープ地点の一つである368P(8時35分)にも古びたピンクテープが付けられているだけであり、曇りがちな空の下、気分が上向くこともないまま、9時59分に戸叶山(とかりやま)に着く。

 

目の前には採石場へと続く断崖が迫っており、あまり気持ちの良い場所ではないが、ここが“ウナギの背骨のような尾根”の最北に位置するピークであり、とりあえず地面に腰を下ろして空腹を癒やす。予定したのとは反対回りなので、ここまでのペースが速いのか遅いのか判断することが出来ず、少々不安な気持ちを抱えたまま10時8分に再出発。

 

さて、戸叶山からの下りはやや急なため2度程尻餅をついてしまったが、そんな斜面を尾根筋より右手にズレた林道との分岐点に向って下りていく。結局、ちょっと手前で舗装道に出てしまうが、その先にある道標の立つ分岐(1029分)にはピンクテープが付けられており、ここから不動岳を目指す人も少なくないらしい。

 

そんな方々に倣って尾根に取り付くと小藪が煩いのは最初だけであり、その先には比較的歩きやすいルートが続いている。ところがそのとき、突然、喧しい犬の鳴き声に続いて数発の鉄砲の発射音が鳴り響き、思わず足が止まる。まだ距離は離れているようだが、この先の展開は全く予想がつかず、このまま山歩きを続行すべきか否かしばし思い悩む。

 

しばらく立ち止まったまま待機していると、その後も犬の鳴き声はするものの、少なくともこちらに向っているようには思えず、とりあえず続行を決意。時々、ヤッホー等と叫んでこちらの存在をアピールしながら歩いて行くと、520.2mの三角点(1053分)を過ぎ、613P1117分)に着いた頃には周囲は再び静けさを取り戻していた。

 

これで不安の一つは解消したが、目指す不動岳にはまだそれなりの距離が残っており、暗くなる前に戻ってこられるか心配になってくる。とりあえず12時まで歩き続け、その時点の状況をみて最終判断を下すことにするが、気力の低下と疲労の蓄積のせいでペースはなかなか上がらない。

 

重い足を引きずって不動岳の一つ手前のピークを眺められる岩場(1153分)に着くが、そこへの上り斜面が果てしなく続くように見えるのはバテてきている何よりの証拠。スマホが圏外のため遅くなっても自宅に連絡できないことを考慮すれば、ここが年貢の納め時であり、撤退を決意して1223分に613Pまで戻ってくる。

 

さて、ここで地図を広げて下山ルートを検討する。最早、出口の見えない今宮神社まで歩くのは論外であり、尾根が分岐する615Pまで歩き、そこから南西に伸びる支尾根を使って林道に出るルートを選択。耳を澄まして犬の鳴き声が聞えないことを十分確認してから、腰を上げる。

 

ところが、歩き出して数分後、目の前の斜面がどんどん下って行ってしまうことに気付いて慌ててGPSを確認。すると手前の間違った支尾根に引き込まれようとしていることが判明し、一度引き返そうとしたものの、まあ、このまま下って行っても左右どちらかの林道に出られるだろうと思い直してそのまま進み、1251分に未舗装の林道まで下りてくる。

 

そこから道標の立つ分岐(1259分)まで引き返し、あとは舗装道路をテクテク歩いて1425分に駐車スペースまで戻ってくる。不動岳まで尾根を繋げなかったのはとても残念であるが、本日の総歩行距離は21.5kmであり、一応ノルマは達成できていたのでこれでヨシとしておこう。

 

ということで、計画どおりに物事が進まないとすぐに機嫌が悪くなってしまうのは俺の欠点の一つであり、年を取ってもなかなか改善しないものなんだなあ。まあ、いずれにしても今宮神社からの取付き方法が分らない以上、再チャレンジは困難であり、次回は二股に分かれた北の方の尾根を使って不動岳を目指したいと思います。

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