歩いて“日光マウンテンランニング”

今日は、日光マウンテンランニングのコースを参考にして、日光の外山から丸山までを周回で歩いてきた。

先日の人間ドックでは体重、腹囲ともに昨年の記録を大きく上回ってしまい、これも山歩きで手抜きをしてきたことの当然の報い。そんなときに耳に入ってきたのが11日に開催された日光マウンテンランニングのニュースであり、優勝者は30kmのコースを3時間12分で駆け抜けているが、まあ、10時間もあれば俺でも歩いてこられるだろうと思いながら、午前6時前に神橋の手前にある市営駐車場に到着する。

さて、車内で久しぶりにCW-Xを身に付けてから6時5分に出発すると、外山までのルートは一昨年の2月にも妻と歩いており、「外山毘沙門天参道」の標識(6時19分)の立つ登山口を経て6時41分に外山(880.1m)山頂。ここから先を歩くのは今回が初めてだが、そこには明確なルートが続いていた。

今日の曇りの天気予報は当たったようであり、チラッとだけでも良いから青空を見せてくれないかなあと思いながら急な山道を下りていくと、いつしかルートは緩やかな上りへと転じる。大会参加者はここをもの凄いスピードで走っていったのだろうが、こちらの目標はあくまでも“完歩”であり、あまり時間は気にせずにマイペースで歩いていく。

地形図上の破線に行き当たったところには「見晴台」の標識(7時39分)が立っており、そこを右折して“霧降高原歩道”を進む。ルートは基本的に下り坂であり、もう少し時期が早ければカラマツ林の紅葉が美しかったに違いない。復路ではここが上り返しになるのだが、まあ、そのことはあまり考えないようにして7時59分にヒネリギ沢。

今回一番心配だったのがここの渡渉であり、万が一を考えてザックにはビーサンを忍ばせてきたのだが、幸い水量は程々で飛び石を伝って無事対岸へ。8時12分に霧降高原道路に出ると「大江戸温泉物語 湯屋日光霧降」の敷地を恐縮しながら通過させて頂き、しばらくは“三滝コース”の標識に従って平坦な道を歩いて行く。

小さな橋(8時29分)の先を左折するとしばらくは舗装道路を歩くことになるが、厳重な「立入禁止」のゲート(8時41分)の手前から再び山道に入り、そこをしばらく上っていくと牧場のような開けた場所に出る。そこにあった「猫の平」の標識(8時57分)を写真に収めようとスマホを取り出すと、スタン・リーの訃報を知らせる娘からのLINEが入っていた。

彼女からの続報によると「アベ4」への出演シーンは既に収録済みらしく、まあ、いろんな意味で彼らしい最期だったのかも知れないなあ。ちょうど耳元のZEN Stoneからはデヴィッド・ボウイの名盤「The Rise and Fall of Ziggy Stardust and the Spiders from Mars」からの曲が流れており、Spider繋がりで彼の冥福を祈った。

さて、牧場の端に付けられた快適なルートを歩いて行くと舗装道路(9時16分)に突き当たり、その少し先にある登山口(9時27分)から再び山道へ。帰宅後確認したところ、その先にも別の登山口が存在し、大会参加者はそちらを利用したらしいのだが、まあ、細かいことは気にしないで9時33分に大山(1158.1m)に着く。

そこの東屋に入って本日初めての大休止となるが、「猫の平」から眺めたときにはチラッと見えていた上空の青空も今では白いガスに覆われており、周囲は霧雨のような状態。天候の悪化は気分の低下にも繋がり、実は、ここから先のルートが精神的には一番辛かったが、途中、俺を追い越していったトレラン風の青年の後を追うようにして10時38分に霧降高原レストハウスに着く。

雨粒はさらに大きくなっていたので、先に着いていた青年と一緒にレスハウスの軒先をお借りして雨対策。水気に弱いZEN Stone はザックの中に収納し、その上からレインカバーを付けて全体を覆う。上半身にはカッパの代りにペラペラのウインドブレーカーを身に付けて、いざ、1,445段の天空回廊へ。一足先に出発した青年の姿は何処にも見えなかった。

今まで妻と一緒にのんびり上ったことしかなかったので、一気に上れるものか不安だったのだが、途中の避難小屋(10時55分)のところまでは順調だったのでとりあえず一安心。ここより上に屋根のあるところは無いはずなので、そこに入って2回目の休憩をとり、持参した熱い紅茶とコンビニのおにぎりを食べながらエネルギーを再充填。

その先も一気に上るつもりだったが、傾斜の強まった天空回廊はなかなか簡単には攻略できず、何十段か毎に立ち止まって呼吸を整えながら何とか頂上へ。小丸山(11時18分)に着いたときには少々バテていたが、そこから先の山道は長〜い階段に比べれば楽なものであり、休まず歩き続けて11時34分に丸山(1689m)に到着。

ここが本日の折返し地点であり、最高地点でもあるのだが、当然、周囲は真っ白だし、立ち止まっていると寒いので、証拠写真を撮っただけでさっさと下山に取り掛かる。ところがその下山路も快適に歩けたのは八平ヶ原(11時53分)の前後だけであり、濡れて滑りやすい斜面に大苦戦の連続。実を言うと一度だけ足を取られて尻餅をついてしまった。

さて、レストハウス(12時20分)に戻ってきた頃には雨は上がっていたが、軍手やズボンの裾は泥だらけであり、これでは中に入って休ませてもらう訳にもいかず、軒先の水道で手や顔を洗っただけで再出発。地形図上の破線をたどって防獣ネットを潜るとそこが噂のヒャッホートレイル(12時28分)であり、それを下ったところで霧降高原道路に出る。

その先のルートの入口は道路の反対側の駐車場にあるらしいのだが、ようやく見つけたそこには「立入禁止」の表示(12時38分)がしてあり、これでは先に進めない。仕方がないので霧降高原道路の路側帯をテクテク歩いてバス停「高原歩道入口」(13時16分)まで移動し、そこを右手に入って無事ルートに復帰する。

再びヒネリギ沢(13時25分)を渡ると往路で懸念した上り返しが待っているが、まだ体力は残っているらしく、さして苦労することもなく13時55分に「見晴台」に着く。後はもう二社一寺まで下っていくだけであり、そこで3回目の休憩をとってから狭いトラバース道を下り、14時22分に稲荷川に架かる橋を渡る。

今年の大会ではそこから車道に出てしまうらしいのだが、昨年までのように川沿いの“砂防堰堤群ハイキングコース”を歩いた方が快適であり、何故変更してしまったのかと考えながらそこを歩いていると、ハイキングコースの終わりのところで川岸が崩れており、こちら側には「立入禁止」の表示(14時48分)がしてあった。

その先は車道を歩いて滝尾神社駐車場(15時00分)まで進み、途中から参道に入って目前に迫ったゴールを目指す。とはいっても次第に観光客の数が増えてくる故、早足で歩く訳にもいかず、美しい紅葉の写真を撮ったり、ポケGOを遊んだりしながらのんびり歩いて15時37分に駐車場まで戻ってくる。本日の総歩行距離は31.1kmだった。

ということで、天気には恵まれなかったものの、無事、30km超のロングコースを歩くことが出来たのでとりあえず満足。ちなみに、大会参加者の中で最も遅い方の記録は9時間24分であり、本日の所要時間(=9時間32分)とそう大きくは変わらない。当然、コースもコンディションも異なるため単純な比較は出来ないのだが、思ったよりも差が小さかったのは事実であり、これに自信をつけて来年の大会への参加を検討することは、まあ、100%ないと思います。