今日は、妻&娘と一緒に新シリーズの第二弾となる「ジュラシック・ワールド/炎の王国」を見てきた。
前作の「ジュラシック・ワールド(2015年)」は“大笑いしながら見られるコミカルなパニック映画”の嚆矢とも言うべき迷作であり、まあ、作品としての善し悪しはともかく、痛快爆笑シーンが盛り沢山のとても楽しい作品だった。この続編でもクレア&オーウェンのお馬鹿コンビは健在のようであり、二匹目のドジョウを期待して映画館へ向う。
さて、ストーリーは、前作の事故で廃墟と化したジュラシック・ワールドのあるイスラ・ヌブラル島で火山が噴火し、取り残された恐竜たちを救出するためにクレア&オーウェンのコンビが4年ぶりに島に舞い戻るというもの。しかし、この話にはウラがあり、クレアのスポンサーを買って出たロックウッド財団の経営責任者ミルズの真の狙いは、救い出した恐竜を兵器や実験材料として高値で売りさばくことだった。
そんな訳でイスラ・ヌブラル島での恐竜救出シーンは全体の1/3程度であり、中盤以降は救出された恐竜たちが運び込まれる北カリフォルニア州の“ロックウッド・エステート”を舞台にストーリーは展開する。まあ、終盤が屋内シーンというのはこのシリーズの伝統なのかもしれないが、正直、アクションがパターン化しやすいので見ていてあまり面白くない。
それにも増して不満だったのは、期待していた痛快爆笑シーンがほとんど見られなかったことであり、似たようなシーンは出てくるものの新監督に抜擢されたJ.A.バヨナの演出が真面目すぎるせいか、大笑いできるような雰囲気は希薄。おまけにクレアの暴走ぶりもちょっと中途半端であり、前作のように一人でストーリーを引っ張っていくような迫力は感じられなかった。
見終わってから娘とも話したのだが、本作の最大の失敗は恐竜たちを人間社会に連れ込んでしまったことであり、例えば集団での狩りを得意とするヴェロキラプトルも一頭だけではその本領を発揮することが出来ない。また、ティラノサウルスにしても軍隊の最新兵器の前では“最狂”とは呼べず、やはりイスラ・ヌブラル島でのエピソードを中心にストーリーを組立てるべきだったと思う。
ということで、最後の“クローンにも生きる権利を!”というメッセージに異論は無いが、人間社会で実行されてしまうとその後の展開が心配であり、まあ、多少の混乱はあるにしろ、恐竜たちは軍隊によって駆逐されてしまうというのが通常のオチ。三作目で、それを「新時代の幕開け」に繋げるためには相当の力業(=こじつけ?)が必要になると思います。