今日は、妻&娘と一緒に渋谷の東急シアター・オーブで公演中の「ミュージカル エビータ」を見てきた。
今年は海外ミュージカル作品の上演が低調のようであり、我が家の予定に入っているのも本作と来月の「コーラス・ライン」くらい。劇団四季に遠慮しているのかもしれないが、ブロードウェイやウエスト・エンドの作品を見たいと願っているファンも大勢いるのにねえと話ながら「チーズキッチン ラクレ」でランチを済ませ、いざ、会場へ向う。
さて、ストーリーに関してはアラン・パーカー監督の「エビータ(1996年)」を見ているので特に戸惑うことはなく、すんなりとミュージカルの世界へ入っていくことが出来る。チェ役のラミン・カリムルーはアントニオ・バンデラスやベニチオ・デル・トロに比べると随分細身だが、当然、歌唱力は抜群であり、ほぼ出ずっぱりのような状態でその魅力的な歌声を披露してくれる。
一方、エヴァ・ペロン役のエマ・キングストンは、正直、ポスター等でその素顔を見たときには少々物足りなさ(?)を感じたが、そこはクローズアップのない舞台の良いところであり、2階席の2列目から見た彼女の姿はまさにエビータそのもの。第二部が始まって間もなく、バルコニーから観衆に向って歌いかける「Don't Cry for Me, Argentina」は期待どおりの素晴らしい出来だった。
また、椅子取りゲームや集団行動をモチーフにしたユニークなダンスが楽しめるのも舞台ならではのことであり、軍人や上流階級の皆さんのことをオシャレに皮肉っているあたりがとても痛快。決して負け惜しみがではないが、そんなダンスの全容を把握するのには、今回のような2階席がとても適していることがよく分かった。
ということで、幕間のときに娘とエヴァ・ペロンの生き方について話し合ってみたのだが、その労働者側に立った政治姿勢は一応評価出来るものの、政治家としては全く未熟であり、結局は長期的な見通しを持てないまま、偶像として祭り上げられてしまったっていうところかな。しかし、死後に偶像化されたのは彼女に批判的だったチェも同様であり、まあ、いろんな意味で興味深い内容の作品でした。