SING/シング

今日は、妻&娘と一緒にイルミネーション・エンターテインメントの新作である「SING/シング」を見てきた。

前作「ペット(2016年)」の出来はイマイチだったものの、新旧ポピュラー・ミュージック満載のこの作品なら間違いなかろうと楽しみにしていた作品。ところが、いざ公開になると“日本語吹替版”による上映がほとんどであり、それではスカーレット・ヨハンソンの歌声が聴けないじゃないかということで、一日一回しかない字幕版の上映時刻(=午後6時20分)に合わせて映画館へ。

さて、ストーリーは、流行らない劇場の支配人が起死回生の一手として素人相手の歌唱コンクールを開催するというものであり、まあ、さほど目新しいテーマは見当たらない。また、事前のオーディションで選ばれた5人+補欠の1人のそれぞれが抱える問題も、正直、ありきたりのものばかりなのだが、どういう訳かこれがとっても面白い。

おそらく、これが脚本&演出の上手さなんだろうが、家事に疲れたブタのロジータや泥棒稼業から足を洗って歌手になることを夢見るゴリラのジョニー、失恋の痛手から立ち直ってパンクロッカーとしての才能を開花させようとするヤマアラシのアッシュ等によるラストのステージは感動的ですらあり、まんまとオヤジの感涙を搾り取られてしまう。

そして、そんなストーリーをひときわ輝かせているのが劇中に流れる新旧ポピュラー・ミュージックの名曲の数々であり、当時18歳だったスティーヴ・ウィンウッドの歌う「Gimme Some Lovin'」がまだバリバリの現役として使われているのは本当に凄いことだなあ。字幕版なので歌詞と口の動きはピッタリ一致しており、違和感を覚えることなく楽しむことが出来た。

ということで、スカーレット・ヨハンソンが歌うオリジナル曲「Set It All Free」も良かったので、「ラ・ラ・ランド(2016年)」に引き続きサントラ盤を購入してしまうかもしれない。エンドクレジット後のお知らせによると既に続編の製作も決定しているそうであり、う〜ん、ここまであからさまに商売に徹底されてしまうとむしろ清々しい気さえしてきます。