キングコング:髑髏島の巨神

今日は、妻&娘と一緒に「キングコング:髑髏島の巨神」を見てきた。

妻&娘に今週末に見に行きたい映画を尋ねてみたところ、当然のことのように返ってきた答えは「SING/シング」。しかし、おそらくゴジラvs.キングコングの前哨戦になるであろう本作を見逃すわけにはいかず、「SING/シング(字幕版)」には昼間の上映が無いからという理由でやや強引に翌日回しにさせていただき、無事、巨大猿の待つ映画館へと駆けつける。

さて、何も知らないアメリカ人がキングコングの住む髑髏島にやってくるという導入部だけはかろうじてオリジナルに忠実なのだが、そこから先のストーリーは全くの別物であり、コングは何処にも連れて行かれないし、当然、高層ビルにもよじ登らない。

それでは何をするのかというと、もう、バトル、バトルの連続であり、米軍のヘリコプター部隊相手に大暴れを繰り広げた後は、イカとタコを合わせたような化け物のリバー・デビルを軽く一蹴。そして、ラスボスであり、コングにとっては両親を殺された因縁の相手でもあるスカル・クローラーとの死闘は、従来の“縫いぐるみ同士による怪獣プロレス”のレベルを遙かに超えた大迫力の名シーンであり、うん、俺が見たかった怪獣映画ってこういうヤツだったんだよね!

しかも、コングをあと一歩のところまで追い詰めるパッカード大佐(サミュエル・L.ジャクソン)執念の八つ当たり(?)のみならず、バンブー・スパイダー、スケル・バッファロー、スポア・マンティス、サイコ・バルチャーといったユニークで魅力的な怪獣が次々に登場するなど、見所は豊富。

見終わってから、「日米における怪獣観の相違」について娘と意見交換を行ったのだが、“従来のハリウッド映画に登場する怪獣たちの造形に魅力が無いのは、怪獣に対する愛情が薄いせいではないか”という彼女の指摘に思わず納得。それに比べれば本作のジョーダン・ヴォート・ロバーツ監督の“怪獣愛”は本物であり、きっと相当の怪獣オタクなんだろう。

ということで、「地獄の黙示録(1979年)」を気取ってはいるものの、内容は完全なおバカ映画であり、脚本や演出にもアラが目立つのだが、その素晴らしいアクションシーンの数々は怪獣映画の歴史の中でも高く評価されるべきだろう。しかも、エンドクレジットの後に流れるボーナス映像はすべての怪獣ファンの心を鷲掴みにしてしまう超特大の大風呂敷であり、一刻も早い次回作の公開を期待せずにはいられません。