スーサイド・スクワッド

今日は、娘と一緒にDCエクステンデッド・ユニバース・シリーズの第3弾「スーサイド・スクワッド」を見てきた。

当初の悪評にもかかわらず、蓋を開けてみれば全米興行成績でV3の偉業を達成したという不思議な作品であり、その謎の解明のために日本での公開を待ちわびていたのだが、ようやくそのときが到来。休日出勤の妻には悪いが、まあ、あまり彼女の好きそうな作品ではないだろうということで、娘と一緒に映画館へ。

さて、開始早々に懐メロRockに乗ってスーサイド・スクワッドのメンバー紹介が行われるのだが、う〜ん、何故かいまひとつテンポが良くないなあ。ここは彼等の悪党ぶりをド派手に、かつ、要領よく印象付けるだけで良いのに、家族関係等の余計な情報が多すぎる。メンバーによって紹介時間の長さがバラバラなのもテンポを狂わせている原因の一つだろう。

また、鳴り物入りで登場したジョーカーが、もう一人の敵役である魔女のエンチャントレスとどう絡むのか興味深く見守っていたのだが、結局、両者の接触はほとんど無いままに終わってしまうという衝撃の幕切れ。監督のデヴィッド・エアーは脚本家出身だと思っていたが、ちょっとこの展開はマズイんじゃないの。

しかし、“じゃあ、面白くなかったのか”と問われれば、意外にそんなことはないのが本作の不思議なところであり、見ているうちにウィル・スミス扮するデッドショットの子煩悩ぶりやディアブロの抱える罪悪感みたいなとても悪役らしからぬ部分がだんだん好きになってくる。

そして、本作の成功の要因の8割くらいを占めているのがマーゴット・ロビー扮するハーレイ・クインの魅力であり、こちらもとても悪役とは思えないほどに可愛らしい。残酷描写を避けるため、彼女がバットで殴っても血が出ないザコキャラを起用したのも正解であり、あれって往年の仮面ライダー・シリーズを参考にしたのかしら。

ということで、事前に期待したようなダークな展開は見られなかったし、ストーリーもお粗末だったのだが、全体の“悪”のイメージを抑制することによってハーレイ・クインの可愛らしさを前面に押し出した作戦は(結果的に?)大成功。次のジャスティス・リーグものにも是非起用して欲しいと思います。