君の名は。

今日は、妻&娘と一緒に大ヒット中のアニメ映画「君の名は。」を見てきた。

先週拝見した「言の葉の庭(2013年)」が個人的には“まあまあ”の出来だったので、正直、どうしようか迷っていたのだが、火曜日に発表された先週末の興行成績では本作が堂々の第一位。Twitterでチラッと見掛けた情報によると、後半はSFっぽいストーリーになるそうであり、そういう展開が決して嫌いじゃない俺としては最終判断を委ねたはずの娘を半ば急かすようにして映画館へ。

さて、高校生の男女の心が入れ替わるという前半の展開については予告編で紹介されていたとおりであり、「転校生(1982年)」以降、使い古されたこのアイデアをあえて今使おうとした新海誠監督の心意気(?)に惹かれたのが本作に興味を抱いたきっかけでもある。正直、俺のような老人が見るとちょっと気恥ずかしくなるようなシーンも散見されるが、まあ、ラブコメとしては上々の出来と言って良いのだろう。

その後、彗星の落下によって(実は)少女が3年前に亡くなっていたことが明らかになってからがお待ちかねの展開であり、心の入れ替わりが起きたのはこの悲劇を回避するためだったらしいことが判明するのだが、残念ながらSFと呼ぶには少々ストーリーが雑であり、成程と思わず手を打ちたくなるような伏線の回収もみられない。

また、見終わってから気付いたのだが、この作品にしろ「言の葉の庭」にしろ、主人公たちの両親がほとんど親として機能していないのは何故なんだろう。確かに、ストーリーの都合上、親の干渉を排除してしまった方がやり易いというはあるのだろうが、だからといって両親が実質的に存在しないような家庭ばかり登場させるのはちょっと安易すぎるだろう。

ということで、館内は小学生を含む多くの若者たちで埋め尽くされており、このことだけからしてもやはり老人が見るような作品ではなかったらしい。しかし、ややサービス過剰とも思えるこの作品が、本当に新海監督が作りたかったものなのかという点については若干の疑問が残っており、彼の動向には引き続き注意を払っていきたいと思います。