GODZILLA ゴジラ

2014年作品
監督 ギャレス・エドワーズ 出演 アーロン・テイラー=ジョンソン渡辺謙
(あらすじ)
1999年、科学者のジョー・ブロディは妻サンドラと共に日本の原子力発電所で働いていたが、突然の地震によって原子炉が暴走し、それに巻き込まれたサンドラは命を落とす。それから15年後、二人の息子フォード(アーロン・テイラー=ジョンソン)はサンフランシスコで家族と幸せに暮らしていたが、ある日、ジョーが15年前の原発事故による立入禁止区域に侵入して逮捕されたとの知らせが入る….


ハリウッド製ゴジラの二作目であるが、ストーリー上、前作との繋がりは無いらしい。

どちらかといえばガメラ派であり、少なくともイイ歳をしたオッサンが見る映画ではなかろうということで、劇場公開時には映画館に足を運ばなかったのだが、「映画秘宝」という雑誌のランキングでベスト部門の2位とワースト部門の1位に同時に選ばれたということを知り、俄然、本作に対する興味が湧いてきた。

さて、ゴジラは日本原産(?)ということで、序盤のストーリーは我が国が主な舞台になるのだが、例によってハリウッド映画に登場する“日本”にはオカシなところが多く、そんなところもワースト1位に貢献してしまったんだろう。しかも、“ようやく!”といったところで登場するのは、“ムートー”と呼ばれる不格好な怪獣であり、正直、ここまで見た時点ではベスト部門の2位という方が信じられなかった。

しかし、舞台がオアフ島に移り、遂に真打ちのゴジラが登場すると、その映像表現の圧倒的な素晴らしさの前に思わず全面降伏。鑑賞後、一緒に見ていた娘に語った最初の言葉は“東宝が作らなくて本当に良かった”というものであった。

まあ、既に「パシフィック・リム(2013年)」という傑作が存在することを考えれば、これくらいの映像表現は想定内という反応もあるのだろうが、本作の場合、ストーリーや演出において過去の日本製怪獣映画との類似性が強く感じられることから、それとのレベルの違いがより明確に映るのだろう。怪獣の魅力を使い捨てにしてきたことの報いではあるが、怪獣映画の本場が完全にハリウッドに移ってしまったのはちょっぴり残念ではある。

ということで、続編も計画されているとのことだが、もう原産国に対する義理立ては十分なので、次回作は日本に拘らずに好き勝手に作って欲しい。ヌイグルミではない本物(?)のキングギドラが見られるとなれば、俺を含む多くのオッサンたちが映画館に押し掛けるのではないでしょうか。