筑波連山縦走

今日は、妻の協力を得て、この冬の目標の一つであった筑波連山縦走コースを歩いてきた。

俺の住んでいるところから東南方面を眺めた場合、圧倒的に目立つのがこの筑波山加波山のコンビであり、以前からまとめて歩いてみたいと思っていたのだが、その際、最大の問題になるのが交通機関の不便さ。

縦走コースの始点となる岩瀬駅へは、JRの始発を使えば午前6時前に着くことが出来るのだが、終点の筑波山からの帰りに使う交通手段に適当なものが見当たらず、困った末に妻に相談してみたところ、車で迎えに行っても良いという有り難いお言葉。あとは日の出の早まる時季を待ち、筑波山山頂での待合せ時刻を午後3時(±1時間)に指定して、午前5時55分に岩瀬駅のプラットホームに降り立つ。

まだ日の出時刻前であるが、予想どおり周囲は十分明るくなっており、身支度を調えて6時3分に岩瀬駅を出発。踏切を渡り、舗装道路を歩いた先にある御嶽山登山口(6時15分)から山道に入ると、6時25分に山頂付近に建つ御嶽神社に着くが、どこが山頂だか分からないまま通り過ぎてしまう。

しかし、ルートは「関東ふれあいの道」になっているので迷いようはなく、鉄塔(6時49分)の脇を通って6時57分に雨引山(409.2m)。次の392mピークの手前では巻き道も出てくるが、当然、ここは尾根筋を進み、山頂の先の分岐は道幅の広い左を選択。ところが、これが痛恨のルートミスであり、正解は踏み跡の不明瞭な右の方。途中まで下りてしまった急斜面を上り返し、赤テープを頼りに正規ルートに復帰する。

貴重な体力を無駄に消費して“「関東ふれあいの道」だからといって油断は禁物”という当たり前のことを学習し、ほぼ平坦になったルートを快調なペースで進んで行く。燕山の手前がおそらく本日一番の大上りであり、階段を含むそれなりの急斜面を延々と上っていくと、8時19分に山頂(701m)に着く。

ここまで来れば最初の目的地である加波山は目の前であり、アンテナ(8時23分)の脇を通って、8時32分に加波山神社。想像したよりこじんまりとしていたが、その隣に付けられたワイルドな参道を上っていくと、たばこ神社(8時37分)を経て、8時40分に山頂(708.8m)に建てられた本宮に到着。

実は、本日の計画では、岩瀬駅から筑波山山頂までの所要時間について「10時間(=最大の安全度を見込んだもの)」と「8時間30分(=現実的な目標)」の2パターンを想定しておいたのだが、ここまでのペースは後者のものよりも20分以上早くなっている。とりあえず、山頂到着予定時刻を午後2時と修正するメールを妻あて送付して再出発する。

さて、事前学習によると、ここから足尾山までのルートがちょっと複雑なようであり、「自由の楷」のモニュメント(8時58分)のところで舗装道路を横断し、風力発電用の巨大な風車の方へ向かう。2つ目の風車(9時2分)の裏山が丸山(576m)らしいのだが、あるか無いか分からない薄い踏み跡をたどってもどこが山頂だか分からない。

藪を抜けた先の一本杉峠(9時14分)には「乗入禁止」の標識が立っているが、禁止されているのはオフロードバイクであり、標識の先にも踏み跡は続いている。2つ目の「乗入禁止」の標識(9時19分)のすぐ先には一部破損した「男坂・女坂」の案内板が立っており、ここは例によって男坂方向に進むが、中央部が深く抉られた登山道はとても歩きづらく、これが「乗入禁止」の標識が立てられた理由だろう。

再び舗装道路を渡ったところが足尾山への登山口であり、上り切った先の祠のある山頂(627.3m。9時38分)はとても気持ちの良い場所なので、ここで腹拵えをすることに決定。今日は日差しも暖かくて絶好のハイキング日和なのだが、春霞(?)のせいで遠くの山々を見渡せないのが玉に瑕っていうところかなあ。

再出発後、東南に続く歩きやすそうな山道に入りそうになるが、すんでのところで間違いに気付き、狭くて急な階段を下りていく。鳥居を潜って舗装道路へ出ると「きのこ山2.3km」の標識(9時55分)が立っており、そのすぐ先にあるパラグライダーの基地では数名の方がフライトの準備をされていた。

ここから長〜い舗装道路歩きが始まるのだが、時々、パラグライダー関係の車が通るのであまりボーッとして歩いてもいられない。「休憩所60m」の標識(10時21分)を左に入ったところがきのこ山(527.7m。10時22分)であるが、その先に続く踏み跡もまもなく舗装道路へと出てしまう。

上曽峠(10時49分)を横断すると、当然ながら舗装道路は緩やかな上りに転じ、こういう地味な上りが精神的にも一番疲れるんだよなあ。11時27分に着いた県道150号線を右折し、「裏筑波野営場」の標識(11時34分)のところからようやく山道に復帰できたときには、正直、ホッとした。

沢沿いに続く石畳のような登山道はなかなか良い雰囲気であるが、しばらく行くと林道に突き当たり、ここを右に進んだところにあるのが筑波高原キャンプ場(12時17分)。このペースだと午後1時頃に山頂に着いてしまいそうなので、時間調整を兼ねて見晴らしの良い広場のベンチで小休止。

キャンプ場の中に付けられた階段状の登山道を上っていくと、しばらく先で積雪が見られるようになる。ここ数日の天候から判断し、軽アイゼンのみで山靴は持ってこなかったのだが、ゆっくり上ればアイゼンなしでも大丈夫だろう。次第に登山者のざわめきが大きくなってくると山頂はもうすぐであり、13時7分に女体山の山頂(877m)に到着。

まだ下山は残っているものの、気分はもう“任務完了”であり、ちょっとした満足感と共に山頂から歩いてきた山並みを振り返る。岩瀬駅からほぼ7時間というのは予想外のハイペースだったが、まあ、それだけ平坦な部分が多かったということなんだろう。

さて、妻との待合せ時刻にはまだ時間があるので、とりあえず男体山にでも行ってみようと歩き出すが、いくらも行かないうちに妻からメールが入り、13時20分発のロープウェイに搭乗予定とのこと。慌ててロープウェイの山頂駅に向かい、そこで妻と合流することが出来た。

その後は、彼女を連れて女体山の山頂に戻り、本日のルートを簡単に説明してから13時50分に下山に取り掛かる。現在、ケーブルカーは運休中のため、ロープウェイの駅があるつつじヶ丘まで下りていくのだが、出だしの岩場は人混みと泥濘で滑りやすくなっている登山道に悪戦苦闘。つつじ平(14時41分)からは妻のペースに合わせてのんびり歩き、15時11分に駐車場にたどり着いた。

ということで、「筑波山温泉つくば湯」に立ち寄って汗を流してから帰宅する。目標の一つをクリア出来たのは嬉しいのだが、意外に楽だったという印象のとおり総歩行距離は27.4kmであり、期待していた30kmには遠く及ばなかったのがちょっと残念。さて、次は何処を歩いてみましょうか。