プライドと偏見

2005年作品
監督 ジョー・ライト 出演 キーラ・ナイトレイマシュー・マクファディン
(あらすじ)
18世紀末のイギリス。若くて聡明なエリザベス(キーラ・ナイトレイ)はベネット家の5人姉妹の次女。男兄弟がいないため、いずれ父親が死亡したら家も土地も遠縁の男子の手に渡ってしまうとあって、彼女の母親は娘達の縁談に躍起になっていたが、そんなある日の舞踏会、エリザベスは近所に越してきた独身の大富豪の友人というダーシー(マシュー・マクファディン)と出会う….


ジェーン・オースティンの代表作「高慢と偏見」の映画化。

英国貴族の優雅で波乱に満ちた日常を描くBBC製作のTVドラマ「ダウントン・アビー」は我が家でも大人気であり、これと似たような作品であれば妻にも喜んでもらえるはずということで選んでみたのがこの作品。使用人の存在を重視していることからすると「ゴスフォード・パーク(2001年)」の方が似ているかもしれないが、まあ、女性向けという点では圧倒的にこっちだろう。

さて、娘には相続権がないという限嗣相続制については「ダウントン・アビー」でもお馴染みであり、同じ原作者による「いつか晴れた日に(1995年)」では、そのせいで主人公の母娘が大変な苦労を強いられることになった筈。また、この当時、婚期を逃してしまった女性がどれほど世間から冷たい目で見られたかということについては、今読んでいるツヴァイクの「昨日の世界」で勉強したばかり。

そんな訳で、5人も産んだにもかかわらず、結局、息子を得ることが出来なかったエリザベスの母親が、娘達の良い嫁ぎ先を探すのに躍起になる様子や、容姿の面では二人の姉に及ばない三女のメアリーが、それを補うためにピアノの練習に精を出す(=しかし、なかなか上達しない。)様子は、滑稽であると同時に哀れであり、とても彼女らを非難する気持ちにはなれない。

メインとなるエリザベスとダーシーのラブストーリーは、正直、少々安易過ぎるような気がするものの、こういった当時の慣習に振り回される人々の様子がなかなか興味深く描かれており、最後まで楽しく拝見することが出来た。

ということで、豪華なお屋敷がいくつも登場することもあって、「ダウントン・アビー」のハイクレア城に憧れている妻も大満足の様子。次は、やはりジョー・ライトキーラ・ナイトレイのコンビによる「つぐない(2007年)」を見てみようと思います。