インターステラー

今日は、妻と一緒にクリストファー・ノーランの新作である「インターステラー」を見に行ってきた。

ダークナイト・シリーズは面白かったものの、俺自身、決してクリストファー・ノーランのファンという訳では無いのだが、豊富な資金が注ぎ込まれた宇宙SF映画は久しぶりということで、公開されるのを楽しみに待っていた。アン・ハサウェイジェシカ・チャステインという、タイプの異なる若手実力派女優の共演にも興味津々。

ストーリーは、地球の環境悪化を背景に、ワームホールを利用して人類の移住可能な惑星を探すというものであり、正直、そう複雑でも無ければ、目新しくも無い。しかし、ウラシマ効果ブラックホール、5次元の世界といった、まあ、SFファンにはありきたりなアイデアを丁寧に積み重ねて作り上げた壮大な“人類愛”の物語はとても感動的であり、鑑賞中、“王道”という言葉が何度か脳裏をよぎった。

これまでの彼の作品とは異なり、要所要所にダレ場を配した余裕のある演出が“大作”の雰囲気を醸し出してくれているのも喜ばしい限りであり、監督としての成長の跡がしっかりと見て取れる。ちょっと褒めすぎかもしれないが、デヴィッド・リーンがアサー・C.クラークの脚本でSF映画を撮っていたらこんな作品になっていたのかもしれないなあ。

残念ながら、アン・ハサウェイジェシカ・チャステインの共演シーンは見られなかったのだが、ダボダボの宇宙服を身に付けて“女”を封印したアン・ハサウェイの潔さは流石であり、なかなか出番の来ないジェシカ・チャステインの顔が写りの悪いモニターに浮かび上がった瞬間はまさにトリ肌もの。子役のマッケンジー・フォイの素直そうな演技もとても良かった。

ということで、球に見えるワームホールや木材を組み合わせたような形状のロボット等、視覚効果にも一切手抜きは見られず、169分の上映時間中、一度も長いとは感じられなかった。しかし、膀胱の方は正直であり、エンドロールが始まったところでやむなくトイレに駆け込むことになってしまいました。