白馬岳〜朝日岳(2日目)

今日は、雪倉岳を越え、朝日岳の麓にある朝日小屋まで縦走する予定。

天気が悪かったらピストンで下山することも考えていたのだが、午前2時半頃にテントの外を覗いてみると、上空には満天の星が輝いており、天の川もくっきり見える。ところが、これに安心したせいか、つい二度寝をしてしまい、目を覚ますと3時半を過ぎている。慌ててテントの撤収に取り掛かるが、出発できたのは4時31分のことだった。

周囲はすっかり明るくなっているため、白馬岳山頂からのご来光は諦めざるを得なかったが、昨日は雲越しにしか見ることが出来なかった剱岳が赤く朝焼けに染まっていく様を見てテンションは急上昇。5時4分に着いた白馬岳の山頂を後にして、三国境(5時41分)まで下りてくる。

ここを左に入ると雪倉岳への縦走路がスタートする訳であるが、快晴に恵まれた今日はこれから歩いて行くルートをはっきり視認することが出来、最高の気分。鉱山道分岐(6時17分)を過ぎ、鉢ヶ岳のトラバース道を進むようになると雪渓(6時24分)が何度か出てくるが、傾斜は緩やかなため準備してきた6本爪軽アイゼンの出番はなかった。

さて、雪倉岳の前後は山野草の宝庫であり、花の名前は4、5種類くらいしか知らないという俺にとってもなかなか楽しい散歩道。雪倉避難小屋(7時2分)の先の上り斜面も可憐な花々を愛でながら歩いて行けば全く苦にはならず、7時37分に雪倉岳(2611m)の山頂に着く。

山頂からの見晴らしは最高であり、今朝出発した白馬岳の雄姿やこれから向かう朝日岳方面の様子等が手に取るように見渡せる。少々風が強いのが玉に瑕であるが、岩陰に入って強風を避けながら休憩を取った後、今日の最終目的地である朝日小屋に向かって下りていく。

朝日小屋の姿は山頂からもはっきり見えたので意外に近いんだなあと思ったが、これが完全な勘違い。雪倉岳からの長〜い下りはなかなか先が見えない感じであり、しかも途中で出会った方の情報から水平道はまだ通行止めであり、朝日岳経由でなければ朝日小屋にたどり着けないことが判明。

まあ、ある程度予想はしていたものの、一縷の望みが絶たれたような感じで少々テンションはダウン。9時前後に下り立った鞍部付近の高度はいつの間にか朝日小屋より低くなっており、ツバメ岩(9時11分)〜小桜ヶ原(9時28分。ミズバショウが咲いていた。)と赤黒山の西側をトラバースして、9時51分に水平道との分岐に着く。

確かに水平道はまだ雪の下であり、覚悟を決めて朝日岳へと向かうが、これが予想以上の急斜面であり、10分もしないうちに予定外の大休止。1リットルしか入れてこなかったハイドレーションパックもここで空になってしまい、残りは非常用に途中で給水しておいた500mlの沢水だけということで、水の消費を抑えるためにも歩くペースをガクンと落とし、11時15分にようやく朝日岳(2418m)に着くことが出来た。

正直、山頂に着いたときにはバテバテの状態であり、珍しくベンチに横になってしまったのだが、神様というものは確かに居るものであり、ここでいつかはお会いしたいと思っていたオコジョと念願の初対面。木道の下を行ったり来たりしている姿はとても可愛らしく、夢中になって写真を撮っているうちに疲れはどこへやら。再出発後は、良く整備されたルートを歩いて12時9分に朝日小屋に到着。本日の歩行距離は13.5kmだった。

ということで、朝日小屋のテント場の評判はなかなか良いようなのだが、標高が低いこともあって気温は比較的高め。特に今日のように日差しの強い日には、テント内で昼寝をしていると汗をかいてしまう始末であり、こんなことならもっとゆっくり歩いて遅い時刻に到着すれば良かったとちょっぴり後悔してしまいました。