雲取山を石尾根から(2日目)

午前3時過ぎに目が覚めたので、テントから首を出して空を見上げると、沢山の星が瞬いているのが見える。これなら山頂から日の出&富士山を眺められるかもしれないと思い、スマホで今日の日の出時刻を調べてみると4時55分とのこと。お湯を沸かしてコーヒーを飲んだり、テント内を片付けたりして時間をつぶし、4時7分に出発。

頭にヘッドライトを装着し、水とダウンウェアの入ったレジ袋を手に持った姿はあまり格好良くはないのだが、まあ、誰も見ていないので気にしない。時間短縮のためにヨモギノ頭は巻かせて頂き、4時42分に雲取山の山頂(2017.1m)に着くと、先客は三脚付きのカメラを設置した1人だけ。

すでに周囲は明るくなっており、上空は晴れているのだが、低いところに雲が張り付いていているため、これでは富士山は見られない。予定より3分遅れで雲の間に顔を出した真っ赤な太陽をカメラに収めてしまうと、あとはもうすることも無いので、5時3分に山頂を後にする。戯れに、途中、赤テープの目印しか無い小雲取山の山頂(1937m。5時19分)を踏んだ後、5時42分にテント場まで戻ってきた。

後はもう帰るだけということで、ベンチに座ってコーヒーを飲みながら帰りのルートを考える。予定では、石尾根の巻き道を使って奥多摩駅まで戻るつもりでいたが、“石尾根完歩”の目標を達成してしまった今となってはあまり魅力的とは思えない。あまり遅くなってGWの渋滞にハマるのも避けたいということで、最速で帰宅できる鴨沢ルートで下山することにした。

さて、バスの時刻を知っているとそれに間に合わせようと気が焦ってしまうため、敢えて調べずに6時48分にテント場を出発。確か、巻き道は橋の崩落により通行止めになっていた筈なので、分岐(7時8分)では迷うこと無く七ツ石山を目指すが、斜面の途中で防寒用に履いていたアンダータイツを脱ぎ忘れていたことに気付く。

七ツ石山の山頂(7時20分)で脱ごうと思ったが、石尾根方面から登山者が上がってきてしまったため、山頂にザックを置き、藪に隠れてズボンを下ろす。着替えが終わって戻ってみると、山頂には数人の登山者が休んでおり、おそらく彼等は俺が“別の行為”をしていたと推測したに違いない。

しかし、旅の恥はかき捨てということで、言い訳はしないで先に進み、7時35分に七ツ石小屋への分岐を入る。水場(7時40分)のすぐ先に建つ七ツ石小屋(7時43分)には、ご親切にもバスの時刻表が掲示されており、一瞬躊躇したものの、誘惑に負けてカメラに収めてしまう。

道が狭くなると、上ってくる多くの登山者をパスさせるためにスピードは大幅にダウンするが、まあ、ゆっくり歩いても10時53分のバスには余裕で間に合うだろう。しかし、堂所(8時10分)を過ぎて登山口に下りてみると時刻はまだ9時3分。ここからバス停までの正確な所要時間は憶えていないが、急げば9時32分のバスに間に合うかもしれないということで、結局、小走り状態で先を急ぐことになり、9時22分に鴨沢バス停に着くことが出来た。ちなみに、2日間の総歩行距離は32.2kmだった。

そこから先は、9時32分のバスに乗って奥多摩駅に向かい、10時26分の電車で鳩ノ巣駅まで戻ってくる。車を止めておいた駐車場は予想どおり満車状態だったが、あらかじめ出車しやすい所に止めておいたので問題無し。東北自動車道の事故渋滞のため、久喜から先は一般道を使うことになり、思ったより少し遅れてしまったが、なんとか無事に帰宅することが出来た。

ということで、今シーズン初のテント泊山行を無事終えることが出来、まずは大満足。とりあえず今回で石尾根は“卒業”ということにしておき、来年からはまた別のルートで雲取山を目指したいと思います。