Fame フェーム

2009年作品
監督 ケヴィン・タンチャローエン 出演 ケイ・パナベイカー、コリンズ・ペニー
(あらすじ)
ニューヨークにある芸術学校で、新入生を選考するためのオーディションが開催される。一万人を超える応募者の中から入学が認められたのは、女優志望の真面目なジェニー(ケイ・パナベイカー)や親に無断で試験を受けたストリート出身のマリク(コリンズ・ペニー)、厳格な家庭でクラシックのピアニストになるべく育てられたデニス等、200人の才能ある若者達だった….


アラン・パーカーの名作「フェーム(1980年)」のリメイク作品。

娘は「glee」というアメリカのTVドラマのファンらしく、帰省中、借りてきたDVDで良くその番組を見ていた。いわゆる学園モノなのだが、そこの合唱部をメインに取り上げているところが特徴であり、俺でも知っているような懐メロ(?)をかなり積極的に取り上げてくれるため、俺も時々一緒に楽しませて頂いていた。

そんなとき、“学園モノ+音楽”つながりということで話題に上ったのが「フェーム」であり、そのときの話に興味を持ったらしい彼女が先日レンタルしてきたのがこの作品。既にアパートに戻った彼女から返却を依頼されていたのだが、その前にとりあえず拝見させて頂くことにした次第。

さて、設定はオリジナルと同じなのだが、入学してくる学生達は全くの別人であり、あれから20数年経った後の後輩達の姿を描いているといっても良い内容。在学中に発生する様々なエピソードも、(一部、イメージ的にダブるようなものも散見されるが)基本的にオリジナルと異なっており、別の作品として楽しむことも出来るようになっている。

まあ、上演時間が107分とオリジナル(=133分)よりかなり短いせいか、割とあっさりした感じで4年間が過ぎ去ってしまう印象があるのだが、設定自体が優れているため、これはこれとしてそれなりに楽しめる。アイリーン・キャラに代わって「Out Here on My Own」を熱唱するデニス役のナトゥーリ・ノートンの歌声もなかなか魅力的だった。

ということで、見終わってから娘にメールで確認してみたのだが、案の定、オリジナル版の存在を知らないでこちらの作品を借りてきてしまったとのこと。確かに、新しい分だけ映像は本作の方がキレイだが、例えば、音楽の使い方ひとつを取り上げてみても、アラン・パーカーの“さりげなさ”には遠く及ばず、機会があれば是非オリジナル版も見て欲しいと思います。