オペラ座の怪人

2004年作品
監督 ジョエル・シューマカー 出演 ジェラルド・バトラーエミー・ロッサム
(あらすじ)
1870年代のパリ。オーナーが交代し、新たなスタートを切ったオペラ座では、突然出演拒否を言い出したプリマドンナの代役に抜擢されたクリスティーヌ(エミー・ロッサム)が見事な歌声を披露し、大喝采を浴びる。その舞台を見ていた幼馴染みの青年貴族ラウルが祝福に訪れ、2人は再会を喜び合うが、オペラ座の裏側では謎の怪人ファントム(ジェラルド・バトラー)の影が….


妻と一緒に見るミュージカル映画の第一弾。

レ・ミゼラブル(2012年)」以来、すっかりミュージカル・ファンになった妻のリクエストにより、映画化されたミュージカル作品をいくつか集中的に見てみることになったのだが、最初は「レ・ミゼラブル」と同じロンドン・ミュージカルが良いだろうということで本作を選択させて頂いた。

そんな訳で、どうしても「レ・ミゼラブル」と比較しながら見てしまうのだが、やはりトム・フーパージョエル・シューマカーとでは力量に格段の違いがあり、スピード感、迫力ともに「レ・ミゼラブル」には遠く及ばないというのが正直な感想。公開当時、我が国でもそれなりに話題になったにもかかわらず、監督や出演者の名前を見て鑑賞を見送った俺の判断は、残念ながらそれ程外れてはいなかった。

特にいただけないのは、最初のクライマックスである“The Phantom of the Opera”のシーン。この曲は、他の曲とは異なり、ドラムスやエレキ・ギターを大胆に使用することによってドラマチックな雰囲気を大いに盛り上げてくれるのだが、本作の凡庸な映像はその効果を全く活かしきれておらず、このシーンでクリスティーヌにきちんと歌わせていないこともあって、まるで下手なBGMのように聞こえてしまう。

とはいうものの、アンドリュー・ロイド=ウェバーの作曲になる楽曲には優れたものが多く、舞台のように、演者がしっとりと歌い上げるシーンを見ている限りでは何の不満も感じない。衣装やインテリアには相当お金がかけられているようであり、この点では舞台に勝っているのかもしれない。

ということで、このミュージカルでも、「レ・ミゼラブル」と同様、25周年記念コンサートのDVDが発売されているようであり、次はそちらを見てみるつもり。今回は、そのための下準備だったと考えれば十分満足のいく内容でした。