怪盗グルーの月泥棒3D

2010年作品
監督 クリス・ルノーピエール・コフィン
(あらすじ)
世界一の大泥棒を目指すグルーは、次の盗みのターゲットを“月”に決定。手始めに、月を縮小するための秘密兵器“縮ませ光線銃”を手に入れようとするが、まんまとライバルのベクターに横取りされてしまい大苦戦。それを奪還するために養護施設で暮らすマーゴ、イディアス、アグネスの三姉妹を利用することを思い付いた彼は、早速、彼女等を養女に迎えいれ、計画の実行に取り掛かる….


現在、米国で続編が大ヒット中の“怪盗グルー”シリーズの第一作目を妻と鑑賞。

“縮ませ光線銃”を奪い返すため、グルーは何度となくベクターの屋敷への侵入を試みるのだが、要塞並みに厳重化された警備の前に失敗を繰り返すばかり。そんなとき、この三姉妹が難なくベクターの屋敷に入っていくのを目撃するのだが、実は、彼女等が売り歩いている養護施設製のクッキーがベクターの大好物だった、というのが事の真相。

彼女等を利用して“縮ませ光線銃”の奪還に成功したグルーは、いよいよ月泥棒計画に本格的に取り組むことになるのだが、それと平行して描かれる彼と三姉妹との“心の交流”の方が本作のメインテーマ。一度は養護施設に送り返してしまうのだが、その後、ベクターに誘拐された彼女等をグルーが命がけで助け出して、無事“家族”になることに成功する。

タイトルにもあるとおり、本作はユニバーサル・ピクチャーズ初の3Dアニメとして製作された作品であり、その本当の魅力は3Dで見ないと正確に伝わってこないのかもしれないが、今回、2DのDVDで鑑賞させていただいた限りでは、正直、全米で絶賛されているほどの魅力は感じなかった。

その最大の原因は、おそらくグルーのキャラクター設定にあり、冒頭の、アイスクリームを落としてしまった少年とのエピソードからも感じ取れる彼の勝手気ままな性格は、三姉妹の“新しいパパ”に相応しいとはどうしても思えない。まあ、その分、バナナから作られたという“ミニオン”たちがとても可愛らしかったので、そう大きな不満はないのだが。

ということで、元々、母親不在の映画を嫌う傾向が見られる妻の評価もいま一つ。最新作の「怪盗グルーのミニオン危機一発(2013年)」を映画館に見に行けば、このシリーズにおける3Dの効果の程を体感できるのだろうが、残念ながらその可能性はかなり低そうです。