鷹ノ巣山〜雲取山(1日目)

今日は、昨年行きそびれてしまった雲取山でのテント泊に出発する日。

雲取山は、この時期でも初心者が安心してテント山行を楽しめるという貴重な山であり、一昨年の俺のテント泊デビューもこの山だった。そのときに七ツ石山から歩いた石尾根の明るくて開放的な雰囲気が忘れられず、もっと長い距離を歩いてみたいと考えたのが今回の計画の発端。

一番良いのは、JR奥多摩駅から延々と石尾根を歩いて雲取山を目指すコースであるが、片道20kmを超える道のりをテント泊の重装備で歩き通すのは相当大変そう。そこで、妥協策として、日原という所から稲村岩尾根を辿って鷹ノ巣山を目指し、そこから雲取山まで石尾根を歩くことにした。ちなみに、帰路は富田新道と日原林道を利用すれば、簡単に日原まで戻ってこられそうである。

稲村岩尾根は、奥多摩三大急登の一つと言われているのがちょっと気になったものの、まあ、時間は十分あるので休み休み行けば大丈夫だろうということで、午前4時半頃に東日原バス停手前の駐車場に到着。身支度を整え、駐車料金(=任意らしい。)の投入口に二日分相当の千円札1枚を投入して、4時48分に出発する。

今回は、冬場に柔らかくなってしまった足裏を保護するため、山靴(=zamberlanのヴィオーズ・プラスGT)の中にインソール(=SOFSOLEのAirr)を入れているため、固い舗装道の感触も極めてまろやか。途中にある交番に登山届を提出した後、“稲村岩を経て鷹ノ巣山方面登山口”というとても親切な標識(5時00分)のあるところを左に入る。

途中、ハイドレーションシステムの調整をしていてちょっと手間取ったが、最初は日原川に架けられた巳の戸橋(5時12分)まで一気に下りて行く。橋を渡ったところからようやく本格的な山歩きが始まるが、ルートは極めて明瞭であり、これなら迷う心配は全くなさそう。先は長いので、急がず休まずのペースで気持ちの良い山道をゆっくり歩いていく。

5時54分に稲村岩分岐に着くが、岩場が苦手なのと体力温存のため、稲村岩は当然パス。その少し先から奥多摩三大急登の一つと言われる長〜い上りが待っており、まあ、傾斜自体はそれ程ではないものの、なかなか終わりが見えないため、精神的にはちょっと辛い。ヒルメシクイノタワ(7時18分)の先の急斜面を上りきると、7時43分に鷹ノ巣山(1736.6m)に着いた。

ここまで大した見晴らしはなかったが、山頂に着いた途端、大きな富士山の姿がいきなり目に飛び込んでくる。抜けるような快晴の下、山頂を独り占めする気分は最高であり、自宅に富士山の写真付きメールを送信した後、周囲の山々を眺めながら腹ごしらえ。しばらくすると、峰谷から上ってきたという青年が現れたため、彼に山頂を譲り渡し、いよいよここから待望の石尾根歩きが始まる。

時刻がまだ早いせいか、他の登山客の姿はまばらであり、天候&雰囲気ともに申し分ない中を鷹ノ巣山避難小屋(8時8分)〜日蔭名栗山(1725m。8時35分)〜高丸山(1733m。8時59分)〜千本ツツジ(1704m。9時22分)と歩いていく。序盤で体力を温存したのが幸いし、最後まで巻き道のお世話にならないで済んだ。

2度目となる七ツ石山(1757.3m。9時48分)で休憩する予定だったが、若いカップルが一組しかいなかったために気を利かせて歩き続け、次第に数を増してきた他の登山客と一緒にブナ坂(9時57分)〜ヘリポート(10時20分)と進んで、10時24分に奥多摩小屋に到着。予想したよりちょっと早かったが、すでに幾つかのテントが張られていたため、小屋でテント料400円を支払ってから、予定どおりテントの設営に取り掛かる。

管理人さんの話によると、“小屋からヘリポートの間ならどこに張っても良い”とのことだったので、周囲に他のテントが張れないような場所を選んでマイテントを設営する。その後、しばらくテントの中で横になっていたのだが、一向に眠くならないため、先に山頂を踏んでこようと、11時23分に雲取山を目指して再出発。

ここからはウエストバッグ一つだけの軽装のため、前回50分弱かかったところを35分で上り切り、11時58分に雲取山の山頂(2017.1m)に着く。ここからも富士山をはじめとする周囲の山々が眺められるが、もう4時間以上視界に入っているために大きな感動は湧いてこず、人が多いこともあってさっさと下山。12時36分にテントまで戻ってきた。

ということで、その後、水場まで水を汲みに行った後は完全なフリータイム。実は、歩いている途中から踵の痛みが気になっていたため、靴下を脱いで確認したところ、いつもとは逆の左足に大きな靴ズレが出来ているのを発見。まあ、痛いのは痛いのだが、明日は下るだけなので大きな支障はないでしょう。