バトルシップ

2012年作品
監督 ピーター・バーグ 出演 テイラー・キッチュ浅野忠信
(あらすじ)
太陽系外に地球に良く似た環境を持つ惑星が発見され、ハワイのオワフ島にある施設からその惑星に向けて交信を試みるための強力な電波の送信が開始される。その数年後、ハワイで環太平洋合同演習が開催され、米海軍のアレックス・ホッパー大尉(テイラー・キッチュ)や日本の海上自衛隊のナガタ一等海佐浅野忠信)等が参加していたが、その最中、宇宙から正体不明の物体が飛来してくる….


ユニバーサル・ピクチャーズの100周年記念作品となるSF映画

宇宙から飛来したのは、勿論、エイリアンの宇宙船であり、海上での航行も可能らしい。エイリアンの放った強力なバリアのため、彼等と闘うことが出来るのはたまたまバリアの内側に入り込んでしまった3隻の軍艦(=米海軍の駆逐艦2隻と海上自衛隊護衛艦1隻)だけであり、ここから地球の命運を賭けた一大海戦(?)が展開される。

宇宙戦争モノなのだが、戦闘区域がバリア内に限られているため、エピソード、登場人物ともにかなり限定的であり、100周年記念作品としては甚だしくスケール感に欠ける。CGを多用したスピード感に溢れる映像にはそれなりの見応えもあるものの、やはり映画館の大スクリーンで見ないとその魅力の半分も伝わってこないのだろう。

まあ、エイリアン相手のおバカ映画ということで、あまりストーリーにツッコミを入れるのも野暮かもしれないが、我が国の海上自衛隊が他国の“軍隊”と全く同列に扱われている点がちょっと気になった。おそらく、本作を御覧になる外国の観客のほとんどは、単純に“自衛隊=日本の軍隊”と考えるのだろうが、たまたま憲法9条の存在を知っている人が見たら、日本の憲法というのは随分融通の利く法律だと呆れてしまうのではないだろうか?

ということで、バトルシップ(戦艦)という題名にもかかわらず、バリア内に取り残されたのは駆逐艦護衛艦だけであり、一体どうなることかと思って見ていたら、何と歴史の教科書に載っていた戦艦ミズーリ号が登場してきてビックリ仰天。しかし、見終わってから調べたところによると、ミズーリ号は1992年まで現役の戦艦として使用されていたそうであり、湾岸戦争にも参戦しているとのことでした。