踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望

今日は、いまや恒例となった(?)娘の模擬テスト中の映画鑑賞ということで、妻と一緒に「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」を見てきた。

これがシリーズ4作目であり、これまでの作品と同様、本作も映画館で見るつもりはなかったのだが、娘が“映画には興味はないが、TVのCMで撃たれた青島君の生死だけはちょっと気になる”と言っていたのを思い出し、まあ、ほとんどそれを確認するだけのような気持ちで映画館へ。

さて、健康診断で要精検になったくらいで生きる気力を失ってしまう主人公や、いきなり辞表を提出し、退職辞令ももらわないまま辞めてしまう同僚等、例によって内容はツッコミどころ満載であるが、まあ、そんなことを気にしていたのではこのシリーズは見ていられない。人質の子どもがいる倉庫に大型バスを突っ込ませるという(悪い意味で)驚愕のクライマックス・シーンも、十分許容範囲内。

そんな中、ちょっとだけ気になったのは、主人公が部下の発注ミスの責任を取ることを嫌い、結局、最後まで上司に報告しないまま済ませてしまっているところ。本作では警察の隠蔽体質というのを批判的に取り上げているのだが、その主要な動機になっているのがこの“責任逃れ”であり、それに対する批判を明確にする上でも、ここはしっかり主人公に責任を取らせておくべきだったろう。

ということで、最大の目的であったCMの“その後”については、あのCM自体、別々のシーンで起きた“主人公の転倒”と“銃声”とを合成して作り上げた架空の出来事という、これまた驚愕の結末。まあ、そんな詐欺的行為まで“しょうがないか”と容認させてしまうのが本シリーズの強みなのだが、同時に、観客側のそういった生ぬるい態度がこのシリーズを含む邦画全体のレベルをどんどん低下させてしまっているのでしょう。