スノーホワイト

今日も受験生の娘は模擬テストということで、例によって、彼女が試験問題と格闘している間を利用し、妻と一緒に「スノーホワイト」を見てきた。

本作を選んだ理由は、時間的に都合が良かったこと(=8割)と“戦う白雪姫”というキャッチコピーにちょっぴり興味を持ったこと(=2割)。しかし、映画が始まっても、悪の女王ラヴェンナに乗っ取られたお城からスノーホワイトが逃亡するというシーンが長々と続くばかりで、彼女が戦うシーンはいっこうに出てこない。

しかも、その逃避行の最中に「もののけ姫(1997年)」のパクリシーンまでが登場し、スノーホワイトは、“戦う白雪姫”とは真逆の“生命の源”にされてしまう始末。ラスト近くになって、ようやく甲冑に身を包んだお姿が拝めるものの、彼女に伝授された“必殺技”は痴漢撃退法に毛が生えた程度のショボいものであり、ラヴェンナとの対決シーンも大した盛り上がりもないままにあっさりと終わってしまう。

まあ、それ以外にも色々と問題はあるのだが、本作の最大の難点は作品全体のペース配分が全くなっていないところ。お城からの逃亡シーンを早々に切り上げ、余った時間で、主人公が“戦う白雪姫”へと変貌を遂げていく過程や、猟師&王子との恋の三角関係なんかを丁寧に描いていたら、もう少し内容のある作品になっていたかもしれない。

ということで、本来なら中盤のクライマックスになるべき毒リンゴのエピソードも散々な扱いなのだが、そういった数々の弱点にもかかわらず、CGを駆使した映像の見事さだけは天下一品。この手による“往年の名作の焼き直し”は、今ハリウッドで大流行中なのだが、我が国のCGレベルでは、ちょっと真似できそうもないのが残念です。