映画 ホタルノヒカリ

今日も朝から娘の模擬テストがあるというので、彼女を学校まで送った後の待ち時間を利用して、妻と映画を見てきた。

朝イチからあまり重い内容の作品を見るのはちょっと気が進まないということで、昨晩、妻と相談して決めた作品は今日が封切の「映画 ホタルノヒカリ」。元になったTVドラマの方は一度も見たことがないのだが、CM情報等によるとローマで長期ロケを敢行したとのことであり、万が一(?)ストーリーがつまらなくても、数々の観光名所を拝めるだけで十分に元は取れるだろう。

しかし、開始早々、ヒロインの観光嫌いという設定が明らかになり、そんな淡い期待に早くも暗雲が立ち込める。その後、スペイン広場やトレヴィの泉、コロッセウムといった有名どころは一応出てくるものの、肝心のヒロインがそれらに全く興味を示さないため、見ているこっちもシラケ気味。

唯一、「天空の城ラピュタ(1986年)」のモデルとなったというチヴィタ・ディ・バニョレージョだけは比較的大きく取り上げられていたが、本作の監督には、その場所の魅力を如何にして観客に伝えるかという問題意識は皆無だったらしく、記憶に残るような映像はほとんど見当たらない。これまで“観光映画”というのは悪口だと思っていたのだが、残念なことに、本作は観光映画にすらなり得ていなかった。

ということで、予想どおりストーリーは貧弱であり、それをお寒いギャグの連発だけでコメディに仕立て上げてしまおうという製作態度は、正直、観客をバカにしているとしか思えない。ヒロインの綾瀬はるかはそれなりに実力のある女優さんだと思うのだが、また一つ、つまらない経歴が増えてしまったようです。