テルマエ・ロマエ

今日は、受験生の娘が模擬テストを受けている間、妻と一緒に「テルマエ・ロマエ」を見てきた。

先週、妻と一緒に那須平成の森を歩いたとき、思いつきで足を伸ばした北温泉がこの作品のロケ地の一つになっており、いったいどんな具合に使われているのか確認しようというのが、本日の主な狙い。要するに、内容的にはあまり期待していなかったのだが、見てみたらこれが意外な拾い物であった。

見終わってから知ったのだが、監督は「のだめカンタービレ 最終楽章 前編(2009年)」と同じ武内英樹という人。相変わらず、構図という観点ではTVドラマの域を出ていないのだが、異常なほどテンポの良い演出は本作でも健在であり、ご都合主義なんていう批判は全く恐れない脚本と相俟って、なかなか楽しい作品に仕立て上げられている。

また、見ていて感心したのは、古代ローマのオープンセットにそれなりのお金がかけられている点であり、CGの助けを借りている部分も相当あるのだろうが、(最近の邦画で目に付く)貧乏臭さをギリギリのところで免れている。特に、カピトリーノの丘等に囲まれた往時のフォロ・ロマーノの姿はちょっと感涙ものであり、いっそ、ラストはここを舞台にしたハドリアヌス帝の凱旋式で〆て欲しかった。

ということで、北温泉は、上戸彩扮するヒロインの実家という設定であり、予想以上に大きく取り上げられていたのは地元民として嬉しい限りであるが、肝心の上戸彩が全然光っていないところが本作に対する最大の不満。主人公の風呂への“思い”に匹敵するくらいの漫画に対する“一途さ”を表現するなら、やはり綾瀬はるかの方が適任だったのかもしれません。